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小さな手入れ、その2。 [BMW R100R Mystic]

WinterMountainsScheme.jpg
病院食。.jpg
何だか色気が無い食事...大きな総合病院で健康診断を受けたのだった。
結果は良好、体重は学生時代と変わらず、メタボリック症候群のおそれも無し。
去年、悪玉コレステロールの値が高めと言われたのだけれども
マヨネーズや卵を控えてみたのが良かったのか、数値上はもう問題ないとのこと。
長生きしちゃうかも。


こういう食事が一番です。.jpg
こちらで手に入る野菜は平均的に旨いように思う。
きのこの類は、特に。この間も「なめこ」がやたらと旨いので感激したのだった。
炙った干物と野菜の煮物、春菊のおひたし、味噌汁、硬めに炊いたご飯。
典型的な我が家の夕食はこんな感じ。こういうのが一番和んで、いい。

相棒が時間を見つけて仕事に出掛けるようになったので、今日は久々に放し飼い。


取り外し中。.jpg
天気も良さそうなことだし、オリバー君を少し触ることにする。
オドメーターが19,000km近くなった時に純正のエア・クリーナーの代わりに
K&N社製の洗って繰り返し使えるタイプのものに交換したのだけれども、
それからもう13,000kmほど走っていることに気が付いた。
専用のクリーナーとオイルを手に入れて掃除してみることにした。

R100Rのタンクは工具類を使わずに取り外すことができるようになっていて
留め金を外して少し後ろを持ち上げれば、エア・クリーナー・ボックスにアクセスし易い。


13000km分の掃除。.jpg
オイルを滲み込ませた湿式なので、埃やごみを吸ってそれなりに汚れていた。
外してからさらさらとしたスプレー式のクリーナーを吹きかけて10分ほど待ち、
空気の流れと逆方向に裏からぬるま湯を当てて汚れを洗い流す。
日向にしばらく置いておいて乾かすと、すっきりとした明るいグレーのフィルター生地が現れた。

専用のオイルは明治屋のいちごシロップのような、ちょっと毒々しい濃いマゼンタ色。
乾いたフィルターに垂らすように塗って、均一に広がるのを待って装着。


ハマグリ的。.jpg
フィルターのカバーになっている空気取り入れ口は、こんな形。
一応、速度が増すと吸入量も増えるようにできているのかな。


購入以来?.jpg
シートを外したついでにテールカウルも外してみる。
もしかすると、購入してから初めて外したかもしれない。それなりに埃まみれ。
綺麗な形のテール・ライト・ユニットは、ずっと古い型のR100とも共通の部品。
フィルターにオイルが馴染むのを待つ間、
リア・サスペンションの取付部も片側ずつ外してグリス・アップしておいた。


Degner NB-29.jpg
今日やっておきたかったことが、もう一つ。
3年間に北海道に出掛けた時に使った上の写真のデグナー製タンクバックを久々に使おうと思ったら、
吸盤が変形してしまっていて装着できなかったのだった。
この手のバッグにはあまりないグレーの色が気に入っていたんだけどな。


吸盤2.jpg
保管している間に吸盤の縁の部分がめくれたように変形してしまっていた。
この程度の変形でも、もうタンクに張り付いてくれない。
外して何か別の吸盤と交換すれば良いかな、と思ったのだけれども
取り付け部をめくってみると、えらく頑強な針金でがんじがらめに固定されていたのだった。
本体との間もホックなどではなくリベット固定だったので、万事休す。

もともとは地図を入れて走りながら見るために買ったのだけれども
実際に使ってみると、カメラを手元に置けるということが気に入った。
ということは、もっと小振りなバッグでもいいのだ。ただし、厚みはそこそこ必要。
それと、吸盤の付いたフラップが大げさにタンクを覆ってしまうデザインは好きじゃないな。
マグネット式で、バッグそのものがタンクに載っているように、すっきり収まってくれると良い。

なんて考えながら探してみると、そんな身勝手なバッグはなかなか見つからない。


mini_tank_bag.jpg
というわけで、こんなKAPPA製の小振りなバッグを海外通販で取り寄せてみた。
去年ぐらいまでは通販で国内でも手に入ったようなのだけれども、もう在庫が無いらしい。
本体の底の四隅にかなり強いマグネットが仕込んである。フラップは無し。
試しに冷蔵庫に張り付けてみたら、バッグを引いただけで重たい野菜室がガラガラガラ....
磁石はかなり強力そう。

新旧大小。.jpg
処分予定の先代と比べると、こんなに小さい。
マップケースに入る地図を考えなきゃ(笑


これ位が丁度良い。.jpg

カメラバッグにできそう。.jpg
内側も柔らかい布地で覆われていて、ちょっと工夫すればそのままカメラバッグにできそうな造り。
底に何かクッションを敷いて、モンベルのフリース袋で包んだDimage A200を入れるのには
多分ちょうどいい大きさだ。
ちなみに写真で中に入っているのはLoweproの「テラクライム30」という小振りのカメラバッグ。



20111130.jpg
暖かな陽射しに誘われてそのままふらりと麻績まで出かけてみたけれども
見る見るうちに雲が厚く垂れこめてきて冷え込んできた。

山間の農道を走りながら、仕事で乗る機会のある最新のマシンの乗り味を思い浮かべて
頭の中で比較してみたりしたのだけれども、こと乗り心地に関しては
オーリンズ製のサスに替えたおかげもあって見劣りしないような気がする。
何より、この「余裕のある遅さ」がいいのだ。
パワーが無いわけじゃないけれども、うまく付き合ってあげないとなかなか気持ちよく走れない。
機械のささやきに耳を澄ませて、自分が導いてあげないといけない。
その時の道の具合と気温、エンジンの状態、乗り手の操作、そんなものが上手く噛み合ってくると
この上なく気持ちよく走っていることに気が付く。絶対的なスピードは遅いんだけれども。
こういう楽しさを知ったことも、小さな幸せ。

帰りの高速道路でエンジンが快調なことに気を良くして、早々に帰宅。
去年まで稲刈りの後は土色だった田んぼに、今年は何かの種が播かれたみたい。
雪解けの後はどうなるのかな...


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「慰安旅行」アルバム。 [BMW R100R Mystic]

Sunset scheme.jpg
千代田湖で会いましょう。.jpg
千代田湖で会いましょう2。.jpg
遠くから一緒に走ろうと仲間がやって来てくれる。嬉しい。
ひと月くらい時間が戻ったかのような暖かさ。空は高くて、それでも空気は乾いてさらっとしていて。
オートバイで走るのに申し分無い天気だ。

いつ出掛けても人の気配のほとんど無い千代田湖で待ち合わせ。
何処へ行くかなんて、何も決めてない。メンバーは気心知れたラスカルさんとYASHさん。
久々にお互いの顔を見て、その時の気分で行き先は自然に決まるのだ。

とりあえず蕎麦もいいね。
そんな会話で北に向かうことにした。



快晴のビーナスライン。.jpg
途中のビーナスラインもひたすら快晴。平日の特権でクルマも少ない。
ちらちらと流れていく景色を視界の端で追いながら、
前を行くマシンの動きに合わせてスロットルを開けていく。
この爽快感に勝るものはそうそうない。


蕎麦と茸バター.jpg
ひっそりお揃い。.jpg
ひっそりお揃いのヘルメット用ワイヤー。
普段なら自分もグレーを選ぶところなのだけれども
仲間と被る予感がして赤にしたのだ(笑。


展望台にて。.jpg
少しだけ高速道路も使って、東御市から少しずつ登って北から蓼科へ戻ってくる。
女神湖を過ぎて、別荘地から遠く茅野市街を見下ろす展望台で一休み。
たまには仲間と集合写真でも、と思ったのだけれども。



絶景なんだけど。.jpg
じゃあ、セルフタイマー10秒でいくからね。


絶景なんだけど2。.jpg
「この散らばり様は何なの?(笑)」(YASHさん)


絶景なんだけど3。.jpg
思い々々に写真を撮ったり、ぼおーっと景色に見とれたり。
そろそろ行こうか、と思う頃には皆自然とヘルメットを被り始めている。
面倒な会話が要らないのが心地よい。



宿からの眺め。.jpg
奥蓼科は表の蓼科とはかなり違って、山の裏側にでも来てしまったかのような不思議な暗さがある。
今晩の宿はひっそりと佇む一軒宿。
渓流に沿った断崖に建っていることもあって、窓を閉め切っても重低音が響いてくる。


食堂。.jpg
少しぬるめの温泉に顎まで浸かって、頭を白紙に。

「奥さんと喧嘩したりしないでしょ」
 そういえば、しないねぇ。

柔らかくなった身体を浴衣に包んで、殻を割りながらとりとめのない話を。
硬めの枕で、夢を見たかどうかも覚えていないくらい深く眠った。


秋です。.jpg
温泉旅館らしさに溢れた朝食。身体の内側まで綺麗になったような気分。


Jeep!.jpg
8℃。.jpg
標高1000m前後の筈なのだけれども、それほどの冷え込みでもなく。
着込み過ぎて、脱いだ防寒着の仕舞い場所に困るほどだった。


Stitched_003.jpg
蓼科湖にて2。.jpg
翌朝。雲が低く垂れこめていた。
別荘地をくぐり抜けて、宿からほど近い蓼科湖へ。
こういう何もないところで何もしないで過ごすのがいいのだ。


蓼科湖にて3。.jpg
今回はお散歩カメラのPanasonic LZ8と、ちょっと本気のDimage A200の2台を連れていった。
どちらも比較的地味な発色なので、記憶が脚色されすぎなくて良い。
この時間だけ、ちょっと雨の粒がぱらぱらと落ちてくるくらいの静けさだった。


八ヶ岳農場にて。.jpg
八ヶ岳農場にて2。.jpg
ビーナスラインにつながったエコーラインを気持ちよく走り抜けて、原村へ。
午後には自分も用事があるので昼には解散のつもりだったけれども、時間はまだそこそこある。
夏には熱気球が浮かんだりしている農業実践大学の芝生広場で一休み。
冬の険しい表情の八ヶ岳も好きだけれども、まだ暖色の山肌に近景の白樺が映えて良い雰囲気だ。

大袋に入った紅玉を3人で分けて、お土産も少し。
さて、さらっと早目のお昼でも食べて別れますか。


鰻重。.jpg
こちらに来てから、こういう東京風でない鰻を食べたのは初めてじゃないだろうか。
皮がかりっと焼きあがっていて、何とも香ばしくて旨い鰻だった。

適度な満腹感に包まれながら、お互いの帰る方角へ、手を振ってさよなら。
自分は仲間には恵まれているなぁ、と思いながら峠を越えて我が家に向かった。

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夏の終わりのオートバイ。 [BMW R100R Mystic]

Sunset scheme.jpg
これはこれで良かったんだけど。.jpg
オリバー君のカバーをめくらないまま、もう秋。
6月に勝手に転んで、直したと思ったら地震が来て倒れてしまったのだった。
それをまた直したところまでは良かったのだけども、ワタクシは夏の暑さがからきし駄目。
カバーをめくって、それなりの装備を付けて跨るだけの元気が出なかった。

家について考え始めると、設計や銀行との打合せや、ショールームでの品定めなど
休みの日にしかできないことが立て続きだ。それはそれで楽しいことなんだけれどもね。
仕事も一種のハイ・シーズンということもあって、イベントの準備と実行、後片付けに追われて
達成感のようなものはあるけれども、休日の身体の重たさはどうしようもない。

でも、今日のこの風の心地よさはどうだ。
適度に乾いていて、空はすっきりと高く、山はくっきりと輝いている。
銀行との打合せをさらっと終わらせて、久々にカバーをめくってみることにした。

そういえば、転倒した時に外れて飛んで行ってしまった風防をまだ直していなかったんだった。
このシンプルな顔つきも嫌いじゃないんだけどね。


この姿が良い。.jpg
アルミのパイプをカットしてステーを作り直し、
幸い傷がほとんどつかなかった風防をセットし直してみる。
乗り始めた頃からしばらく着けていたGIVIの風防よりはずっと小振りのMRA製のもの。
うん、これでよし。
2ヶ月半ぶりだったけれども、3回目のクランキングでエンジンに火が入った。
丸5年経った純正バッテリーもまだ元気そう。古い開放型の方が意外に長持ちする。



稲刈りは秋のはじまり。.jpg
もう陽はすっかり傾いているので、遠くに出掛けるわけじゃない。
ゆっくりとエンジンと車体を温めながら、サラダ街道方面へ。
西に向かうと、刈り取られたばかりの田んぼや土蔵やトウモロコシ畑やらが逆光の中で輝いていて
なかなか素敵な風景だ。


今が一番いい季節。.JPG
去年買ったメッシュ・ジャケットがちょうど良いくらいの気温。
意味無く遠まわりをして松本ICから2区間だけ高速道路に乗って、
5速でなく4速で思い切り回してみる。
エンジン・オイルは替えたばかりなのだ。
塩尻ICで降りて、お気に入りの広域農道へ。



別冊コミック「コールドランドスケープ!」より.jpg
▲別冊コミック「コールドランドスケープ!」より

暖まったエンジンは軽くスロットルを煽ると「ブーン」と心地よい音を奏でている。
信号がほとんどなく適度にアップダウンの続く農道は盆地の東側の少し標高の高い場所を走っていて
アルプスの稜線に少しずつ陽が沈んでいく様子がよく見える。
こういう風景はこのマシンにとても合っている。


倒れちゃったけど。.jpg
稜線の谷間、上高地線への切れ目に陽が沈んでいく様子を眺めながら、我が家へ。
うむ、満足。


地震対策。.jpg
地震の時にセンター・スタンドがあっさり外れてしまうことがよくわかったので
こんな風にサイド・スタンドを紐で縛っておく。
タイア留め代わりに角材を挟んで、終了。


とうもろこし♪.jpg
トウモロコシも、そろそろ終わり。
茹でた後に、醤油を薄くまぶしてコンロの火で炙って食べるのが二人とも好きなのだ。
ぱちぱちと弾ける音、何とも言えない香り。

「IHもいいみたいだけど、やっぱりガスコンロにしよう」と相棒。
最新の技術も良いけれども、トウモロコシを炙れないのは致命的だ。


20110928-2.jpg
こうして、平和な休日ももう終わり。
あ、昼寝するのを忘れちゃったな...


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復帰祝いに蕎麦、の巻。 [BMW R100R Mystic]

麦畑スキーム2。.jpg
とりあえず修理完了。.jpg
先日の転倒で入院していたオリバー君は、一週間ほどで無事に退院できた。
右側のシリンダー・ヘッド・カバーとシティ・ケースの蓋の2箇所が大きな損傷で
この2点が接地した状態で滑ったようだ。
傷が残ったその2点とハンドル・ガード、右フロントのウィンカーを新品部品と交換して
右側のメーター・カバーは偶然オークションに出ていた中古品と交換。
ちなみに、シティ・ケースは蓋だけでも部品として入手できる。

上に書いた箇所さえ交換してしまうと、他は軽い擦り傷程度で
細かな研磨剤の入った液状のワックスとコンパウンドで磨くと
ほとんど転倒の痕跡は消えてしまった。
大き目のガソリンタンクや他の塗装部品に気になる傷が残らなかったのは本当に運が良かった。
ミラーの黒い樹脂の部分に残った傷は気にしないことにした。
基本的には丈夫なバイクなのだろう。
なにより、飛び出したエンジンのおかげで搭乗者の脚が守られる可能性が高い点は
水平対抗エンジンのひそかな美点だと思う。

転倒してから10日後、先週の火曜の晩に職場の工場から慎重に国道に走り出てみる。
ハンドルの曲がりや歪みもなし。遠くに見える赤信号に向かって惰性で走りながら手を離してみても
車体は普通に走っている。ほんの少し右に傾こうとするのは買った時から変らない。

☆☆☆

澄んだ流れ。.jpg
翌日の休み。
いきなり遠くまでは出掛ける気分ではなかったけれども
気分転換になりそうな散歩に安曇野まで出てみることにした。

朝からのっぺりとした明るい灰色の空は、一日中そんな様子だという予報。
雨の心配はなく、陽射しで疲れるほどでもなく。梅雨時のそんな1日は貴重だ。
平日とあって北アルプスに沿って南北に走る山麓線=県道25号も比較的すいている。


くるまやさん。.jpg
点々と蕎麦屋や旅館が並び始めた辺りで進路を山側に向けてしばらく登っていくと
神社への参道があり、鳥居の真横に目的の蕎麦屋が見えた。

週末は観光客で賑わう店らしいけれども、平日の昼下がりは地元の人たちが中心のようだった。
天井の高い店内は日が遮られていて、涼しく心地よかった。


とろろざると山菜。.jpg
相棒は天ざる、自分はとろろざるを頼んで、山菜をつまみに。
ちなみに普通のざる蕎麦は493円。端数なのがちょっと不思議。
おそらく量も少なめなのだろうと大盛を頼んでみたら
見たことがないくらいに堆く積まれて出てきた。とろろは蕎麦の上に載っている。
さらさらと食べやすい蕎麦で、しっかり量はあったけれどもするりとお腹に収まってしまった。
つゆはしっかりと濃い目。
昼の混雑を避けて少し遅めに行ったせいか、しっとりとした蕎麦湯が旨かった。
ふう、満足。

るんびにさん。2.jpg

るんびにさん。.jpg
少し前にクルマで迷い込んでみた斜面に立つパン屋さんにもう一度立ち寄ってみる。
周りはここ数年で開けたような別荘地。
きっと思い立ってはじめたパン屋さんなのだろうけれども、美味しいし繁盛している様子で
こういう生活も楽しいだろうなぁ、と思う。

天然酵母の少し重たいパンをシティ・ケースに詰めて
再び山麓線を南へ下っていく。
緩いカーブが幾つも重なり、少し登ってまた下って。
そういう道を、相棒を後ろに乗せて適度にエンジンを唄わせながら走り抜けていくのは
生きていて一番楽しい瞬間の一つだ。
せっつくクルマがミラーに写ると、車体を路肩に寄せてやり過ごして、平和に帰宅。


無事帰宅。.jpg
エンジンをできるだけコンパクトに設計してスイング・アームを長くとった現代のマシンと比べると
あまりにもバイクらしくない構造でバランスも悪そうなのに
走るとそこには不思議に調和した世界があって、他のどんなバイクにも似ていない。
こういう乗り物に出会ったことも幸運だったなぁ、などと感じつつ
いずれまたしっかりと長旅に出てみたいと思った。
大事にしなきゃね。

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転倒して学ぶこと、多々。 [BMW R100R Mystic]

麦畑スキーム2。.jpg
すまんよ。.jpg
バイクに乗っていて転倒したのは随分久しぶり。
思い起こすと、多分12年位前にハンターカブで転んだのが最後だった。
冬の雪が降った翌日かその後で、都内の仕事場からの帰り道に多摩地区の自宅に近い道を走っていたら
カーブを曲がると突然雪降ろしの山が道に真ん中に積もっていて、
減速しながら乗り上げた瞬間に後輪からさーっと滑走して転んだのだった。

正直に言えば、その時のワタクシはあまり何も学ばなかった。
暗くなってから雪を道路に山になるまで積むのはどうかとは思ったけれども
バイクがそう多く通るわけではないし、たまたま自分の運が悪かったのだと考えた。
自分で部品を買ってバイクを修理して怪我が治ると
「事故を起こした」という暗い気分は何処かに消えてしまっていた。

土曜日は珍しくオリバー君で出勤していた。自分のバイクで日中に出かける用事があったからだ。
その晩、普段より少し遅い時間に店を出て国道を少し南に下ってガソリン・スタンドに立ち寄り、
川沿いの一方通行の道、通称「堤防道路」に出て、自宅=北方向へ。
堤防道路は信号も無く、交差する橋の下をアンダー・パスで通過できるので通勤には最適な道なのだ。
たまに大雨の後などに「冠水のため通行止め」なんていう表示が出ていたことはあったけれども
土曜日は朝から快晴で夏の陽気。何も疑わずにアンダー・パスを通るつもりで進路を向けた。


小俣橋0607.jpg
堤防道路は一方通行で幅も比較的狭い。
今の時期は雑草も生い茂っていて、アンダー・パスへの入口が夜は特に見え辛い。
自分はヘッド・ライトのハイ・ビームとロー・ビームをカチャカチャと切り替えて
右側へ下る入口を見逃さないように目を凝らしていた。
ちょうど川沿いのアカシアの花が満開で散った後で、路面には落ちた花柄がたっぷりと溜まっていて
車のわだちの後をなぞるようにして走っていた。アンダー・パスへ向かう方向は右カーブなので
二本のわだちの左側を走りながら右側の路肩の雑草の並びを目で追いかけ、
雑草でできた低い壁が緩く曲がりながら橋の下へ落ちていくラインに沿って車体を右へ傾けた。
そこに、「通行止」の看板が白く浮かび上がった。

訳がわからないままブレーキを握り、おそらく前後のタイアをロックさせながら
トタン板でできた看板に当たって車体は右側に倒れ、そのまま前輪が看板に乗り上げた状態で滑って
草むらの茂みに停まった。自分は路上に転がっていた。
起き上がると右側の腰の辺りと膝、肩に鈍い痛みを感じたけれども、歩くことはできた。
辺りは何の明かりも無く、真っ暗だ。
もそもそと車道の左端に倒れているオリバー君の元まで歩き、
とりあえず「落ち着け。」と自分に言い聞かせた。
「大変なことをしてしまった」という思いと、「もう起きてしまったのだからどうしようもない」という
冷静な気分が瞬間的に頭の中を駆け巡る。
「落ち着こう」と口に出して深呼吸して、まずは車体を起こすことにした。
真っ暗で、通行止めの予告の看板も無く、頼りになるはずの看板を自分が倒してしまったのだから
別の車が今この瞬間に突っ込んでくるかもしれないと思った。
堤防道路は70km/hくらいで飛ばしているクルマも多い。
スクーターで煽られたことが何度かあるのでよくわかっている。

フロントタイアがトタン板の看板に乗り上げていたので、まず看板を引きずり出す。
それから、渾身の力で右に倒れている車体を垂直に起こす。
真っ暗な路面はぬるりと滑って、ガソリンが漏れた匂いがした。

垂直な状態で支えて、前タイアを跨いで左側に回り、
スプリングで勝手に跳ね上がる仕組みのサイドスタンドを出す。ふう。
まずは相棒に電話をしておこう。伝え辛いけど、正直に話すしかない。
呼び出し音...「留守番電話サービスに接続します」
あれ?

そこへ、後続のクルマがやってきて最後尾の1台が静かに停まった。「どうしました?」
 『実は看板がよく見えなくて、ぶつかって転んでしまったんです』

聞くと、すぐ近くの家から事故の音を聞いて駆けつけてくださったとのこと。
「暗いから、ちょっとそっちにクルマ入れますね」
ようやく、そのクルマのライトのおかげで現場が見えるようになった。

路面にはガソリンが漏れた跡と、エンジン・オイルらしき金色のオイル痕。
起こしたオリバー君の右側は至る所がかなり削れている。右側のシリンダー・ヘッドから
オイルが滲んでいた。これではエンジンを掛けるわけにも行かない。
これだけの損傷だとフレームも曲がったりしてもう乗れないかもしれない、と一瞬考えた。

仕事で不動車を引き上げに行くことはあるけれども
仕事場まで歩くわけにも行かないし、今の自分がその作業を自分でやるのは無理だと思った。
クルマで救援に来てくださった方のご好意で、その方の家の庭先に車両を置かせていただく事にした。
御礼をしていると、相棒から電話。
つとめて冷静に状況を説明して、申し訳なかったけれどもクルマで迎えに来てもらうことにした。
3速にスタックした状態のオリバー君のギアを抜くと、ハンドルが曲がった気配はなく
アンダー・パスの下りでUターンをして平地に押し上げて普通に押して歩くことができた。
もしかしたら、フレームとフロント・フォークも大丈夫かもしれない。期待は禁物だけれども。

200mほどそのまま押して、教えていただいた民家(庭が広くブロック塀に囲まれた豪邸だった)へ。
先ほどクルマで現場を照らしてくれた方が信じられないほど優しい対応で
屋根つきの駐車場にオリバー君を置いて良いと言って下さった。

再び御礼をして近くのコンビニエンス・ストアまで行くと、相棒がクルマで待ってくれていた。

☆☆☆

翌日。
朝から仕事場のスタッフと積載車で車両を引き上げると、損傷は思ったよりも少なかった。
シリンダー・ヘッド、右側のパニア・ケースの蓋、タコ・メーターのメッキのカバー、
右側のハンドガードの4点が盛大に削れていて、風防は跳ね飛ばされていたけれども、
他にはほとんど傷も無く、フレームやフォークの曲がりも無さそうだった。
タンクなどの塗装部分に傷が残らなかったのが奇跡的。
おそらく、当たった相手がトタン板の看板だったおかげで、衝撃も吸収してくれたのだろう。
ある意味では、かなり運が良かったのだ。

自分自身の怪我も、膝が数箇所擦り剥けたのと、肩と腰の打撲程度で済んだ。
肩と肘に樹脂製のパッドが装着されたRS-Taichi製のメッシュジャケット(BMW版)を着ていたおかげだ。
ヘルメット(昼間暑かったのでHONDA製のJF-5を被っていた)は派手に削れていたけれども
翌日に寝違えたような首の痛みが出ただけで、二日後には収まった。
湿布と絆創膏の張替えを楽しみにしていた相棒には申し訳ないけど(笑)、たぶんもう今日で最後だ。
来週には、オリバー君も元気になって戻ってくるだろう。

☆☆☆

工場の片隅に置かれたワインレッドのマシンに気がついた常連のお客様から
どうしたのかと心配もされ、少し話をする。
 『自分の不注意なので、仕方がないですけどね』

「いやー、それでも工事の予告の看板が無いのは駄目でしょ。他の人にも危ないし。
 そういうのは役場に言わなきゃ。」
確かにそうかもしれない。
これまで堤防道路で通行止めがあった時には、大概の場合
手前に「この先工事のため通行止め」という予告看板が立っていた。
通行止めがあるらしいと思って走っていくのと、
何も考えないで曲がり始めてしまうのとは随分な差だ。
実際に、救援に来てくださった方と話している間にも
急ブレーキで突っ込んで来そうになったクルマが何台かいた。

☆☆☆

火曜日。昨日。
工事の管理の管轄を調べて、一応前置きして事故の連絡をして
今後の安全のためにも数十メートル前に通行止めの予告看板を置くべきだと思う、と伝えた。
その日の夕方に管理部署から連絡があり、現地を確認して予告看板を追加したとの話だった。
「ただですねぇ、えーと、気分を害されたら申し訳ないんですけどねぇ、
 一応現地には赤色灯が3つ点滅してた筈なんですけどねぇ...」
赤色灯?
「ええ、昼間に太陽光で発電しましてねぇ、夜ピカピカッと発光してる筈なんですわ。
 看板の上に1つ、周りのバリケードに2つ。」

気になって、昨晩もう一度現地をクルマで通過してみた。
幹線道路から堤防道路に合流する箇所に1つ、事故現場の数十メートル前にもう一つ、
急に仕立てた様子の予告看板が確かに立っていた。これはいい。一歩改善。

しかし、実際の事故現場に来てみると、赤色灯と呼べそうなものは...かろうじて1個、
自分が壊した看板の代りに立っている物の天辺にぼわっと弱く数秒おきに瞬く明かりがあるだけだ。
一瞬弱く光って、数秒間消えている。あまり役に立っているとは思えない。
写真を撮ってみる。何カットか撮ったが、赤い光がどこにも写らない。
通行止めの看板は、自分がぶつかった場所よりも数m手前に出ているような気がした。
今の場所ならさすがにぶつからないだろうと思う。


☆☆☆


麦秋。.jpg
今日。仕事は休み。
相棒を用事の場所まで送ったついでに、市役所を訪ねて昨晩撮った写真を置いてきた。担当者は不在。
別にクレーマーではないつもりだけれども、「赤色灯も付いているから大丈夫な筈」
などという判断で放置されても困るし。
夕方に電話が掛かってきて、「現地を再度確認に行ったが赤色灯を3つ設置してあるという
工事業者の報告を鵜呑みにして申し訳なかった」との話。ふうむ。


☆☆☆


反省は多々。
転倒して事故になったのは、あくまで自分の不注意が原因であることには変わりがないと思うからだ。
晴れていたから通行止めなんてある筈がない、と思い込んでいたのは確かだし
比較的急なカーブを曲がりながら橋の下へ滑り込んでいくので
きちんと曲がろうということに集中していて、
何かあったら停まれるように、とは考えが及ばなかったように思う。

日曜日にはオリバー君を買った店のメカニックの方が奥多摩で転倒して亡くなり、
月曜日にはバイクに乗り始めた25年以上前から愛読していた雑誌RidersClubの編集長が
撮影中にセンターラインをはみ出して来た対向車と衝突して亡くなられた。
こんな風に事故を思い返して考えることができる自分は、運が良かったのだろう。
こうやって普通に生きているということも、単に偶然でしかないのかもしれない。

事故は身の回りにあるというのは確かなこと。
それが身に沁みて判ったというのが今回の収穫、かな。


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箱庭的信州紀行。 [BMW R100R Mystic]

田んぼscheme.jpg
久々に長旅仕様。.jpg
G.W.に働いた分の振替休日と職場の定休日を組合せて、久々に2日間の休み。
相棒を乗せて少し北の温泉地を目指すことにした。
久しぶりにオリバー君に大きなパニア・ケースを装着すると、その姿だけでも旅気分だ。

岡谷まで中央道を少しだけ走り、快晴の霧が峰方面へ登っていく。
和田峠からゆったりと東御市へ下り、国道18号から嬬恋方面へ。
高原の空気はさらりとしていて、それでも5月とは思えない暖かさ。
軽めのジャケットを選んで正解だった。


中居屋さんの山菜天ざる。.jpg
少し遅めに出てきたので、万座方面への登り道の入口の蕎麦屋で涼む。
山菜の天麩羅、嬬恋産の蕎麦粉で打ったという喉越しのよいざる蕎麦。
素朴な漬物に気分が和む。


万座にて1.jpg

源泉1.jpg
万座に近づくと、硫黄の香りとともに景色まで現実離れしてくる。
オートバイが多い。平日のせいか、単独で楽しんでいる人が目立つ。
周囲の景観に不釣合いなホテルが集まった場所を抜けると、いっきに登りの傾斜が厳しくなって
周辺には残雪が広がり始めた。標高は2000m近いらしい。
ありがたいことに寒さは全く感じなかった。季節外れの暖かさなのだ。


渋峠へ。.jpg

日本じゃないような。.jpg
国道の最高標高地点、渋峠へ。
途中、観光地の絵はがきでしか見たことが無いような
数メートルの切り立った残雪の断面を横目で見ながら、
雲の上を走っているような快適なワインディングを進む。
あまりの絶景に、二人揃って「おおおおー」「うわー」と、間抜けな声しか出ない。


白樺のワインディング。.jpg
渋峠を過ぎると、目的地の湯田中方面へ一気に下っていく。
アルプスを越えてイタリアに入りました...とでもいった感じに、景色も穏やかに。
白樺の残るアップダウンを気持ちよく進む。

あれ、思ったよりも早く着いてしまいそうだなぁ。
家で地図を眺めていた時には、こんなにさらりと走り抜けられる距離だと思っていなかったのだ。
日も伸びているし、宿に入るにはあまりにも早い。
下界に一度下りて、少し別の方角に足を伸ばしてみることにする。


仕事ではなく。.jpg
数年前に仕事で何度か訪問した町へ。
設計に関わった公園は、当然のように現実の公園になっていた。


ジャムを買おう。.jpg
その町を通り過ぎて、西側に広がる高原へ。
以前に一度だけ来たことがある、小高い丘の上に立つ店。
ジャムや桃のジュースなどを選んで、宅配便で自宅に送ってしまうことにする。
信州らしい林檎や栗のジャム、黒ゴマのペーストなんていうちょっと面白そうなものを。

あてずっぽうに標識を無視して走っているうちに、随分と大回りをして温泉街の手前まで戻ってきた。
周辺は白い花をたっぷり抱えた林檎の木が一面に広がっている。

ここまで来たら、行ってみたいところがあるのだ。


5年半ぶりのPOTさん。.jpg
相変わらずの非日常的な佇まいに嬉しくなる。5年半ぶり。
こんなに可愛かったっけ...と思って、以前に出掛けた時の写真と比べてみる
外装を塗り直したらしい。


1728077.jpg
ちなみに、こちらが前回訪問時。
その時から乗り物の種類が増え、相棒と二人になって、住まいも変った。


再びのジュジュカツ。.jpg
注文はもう決まっている。
そう、「ジュジュカツ」だ。
相変わらずの分厚いカツがトマトソースに包まれて、
鉄板の上でジュジュジュジュ...と素敵な音を立てながら運ばれてきた。
揚げ物は基本的に興味が無いのだけれども、この店のこの一皿は好きだ。

一気に食べ尽くして、ふと足元を見ると
ゴミ箱のちびまること目が合った。


終着駅。.jpg
そろそろ宿でゆっくりしよう。
本来の目的地の温泉街は、すぐ隣町。
終着駅のホームに、今日の最終電車が入ってくるところだった。
外のフェンスにもたれて到着を待っていると、
地元の人らしい帽子を被った年配の男性がにこにこしながらいつの間にか我々の脇に立っている。

「あれは、ビーエムだね」
  あ、はい。そうです。
「わかるよ、俺もさあー、バイクずっと乗っててね、全部で53台になる、うん」
  へえ。凄いんですね。今は何に?
「いや、もう乗ってない。女房に呆れられてさ」
  あら、そうなんですか。
「もう昔はバイクで来た連中とすぐ仲良くなって、うちに呼んで酒盛りさ。
 翌朝になったら『誰だっけ、こいつ?』ってな具合でさ。
 まあ、バイク乗りに悪い奴はいないね」

こちらが切り上げないと、そのまま自宅に呼ばれそうな勢い。
「今晩は何、この辺に泊まんの?」
我々がもう宿を取ってあるというと、ほんの少し残念そうな表情になった。
手を振って、宿へ。

☆☆☆

鄙びた温泉。.jpg
翌朝。
カーテンを開けるまでも無く、一瞬目が覚めた5時過ぎにはもう明るかった。
天気予報は7月上旬並みの暑さになるでしょう、などと話している。


野尻湖畔。.jpg
北に向かって奥志賀高原を抜け、山道を走り次いで野尻湖まで出た。
あまりの気温の高さのせいか、エンジンの回り方にも出発直後のような爽快さが今ひとつ足りない。
快晴、でもどこかぼんやりと景色は霞んでいる。
西に向かって、戸隠へ。


戸隠にて。.jpg
平日の割りにはぎっしりと埋まっている駐車場の端っこにオリバー君を停め、
「杉並木まで約15分」という看板に少し気持ちをそがれつつ、軽装にして歩き始めた。
15分、約1kmの道がまっすぐ一直線に最初から見えているところが味噌なのだ。きっと。
遠いなぁ...と思いつつも、目指す場所がずっと見えているので、何とか気持ちが前向きになる。

門をくぐると、非現実的に巨大化した杉並木に圧倒されるばかり。二人とも無口になった。


戸隠にて。2.jpg
しばらく静かに木々の呼吸する空気に浸って、十分満足してから来た道を戻る。
帰り道はやや下りになっていて、気がつくともう出発地点だ。

水辺には水芭蕉が点々と白い花をのぞかせている。


戸隠・よつかどさんのざる。.jpg
そろそろお昼。
観光バスが行き交って混雑した集落を素通りして、鬼無里方面へ。
この辺で集落も終わってしまいそうだな...というぎりぎりの角に立つ蕎麦屋に入ってみる。
なかなか素朴で観光地的ではない蕎麦だった。ここも漬物がいける。


大望峠から。.jpg

ごつごつ。.jpg

箱庭的美しさ。.jpg
鬼無里へ抜ける手前の大望峠で一休み。
ここの展望台からの眺めは、まさに箱庭的な信州の山村の美しさだ。
どうしてこんな斜面に暮らそうと決めたのだろう。
本当に不思議だけれども、どこかでそんな暮しをしてみたい気もしたりする。

その後は、何度か通った小川村を抜けて南へ下り、
最後は豊科から高速道路を一区間だけ。
十分明るいうちに我が家に戻り、家中の窓を開けて風を通して
カーテンを引いた部屋に座布団を並べて、二人で昼寝をした。

後半の暑さに、思った以上に疲れていたらしい。
目を覚ますと、もう7時近く。
それでも、前日の山越えの道を走ったのが数日前の出来事のような
不思議な充実感が残っていた。

こういう旅行を、この先どれくらい楽しめるのかな。

鬼無里にて2.jpg
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桜吹雪。 [BMW R100R Mystic]

Sakura scheme.jpg
雪が。.jpg
連休中の休みは今日だけ。
風も穏やかだし、たまには一人で走ってみよう。

2月に前輪タイアを交換した時点では後ろはまだ大丈夫だと思っていたのだけれども
甲府まで桜を眺めに出掛けて帰ってきてみると、
トレッドの溝の部分に裂け始めたようなヒビが何箇所かあるのに気がついた。

該当のサイズのタイアは半年くらい前から在庫切れの状態。
幸い、ヒビを見つけた翌週にちょうど入荷して、無事交換できた。
二人乗りの時はそれなりに余裕を持って走ろうと思っているので
なかなかタイア全体を使うような走り方はできない。
まあ、一人で走っても全体は使いきれないけどね。


下界へ。.jpg
普段と同じ時間に起きて、久しぶりにエンジンをぬるま湯と洗剤で洗ってみた。
使ったのはMOTUL製のオートバイ用のもの。
凸凹に溜まっていつの間にか染み付いてしまった汚れを古い歯ブラシで磨いて
手押しポンプ式の霧吹きで洗い流す。かなりすっきり。
そのまま出掛けて乾かそうという魂胆なのだ。

ポケットの多いジャケットを選んで、財布やカメラはすべてその中に。
地図も持たず、行き当たりばったりに走ることにする。

美ヶ原の美術館近くには、しっかりと雪が残っていた。
それでも、気温はしっかり15℃と寒くはない。
標高1800m近辺まで一気に登って、上田方面へのんびりと降りていく。


春色。.jpg
長い長い下りの間に、小さな集落を通り抜けると
そこ彼処に桜がまだ花を咲かせていた。
長野に居ると、少し走るだけでも時間差で1ヶ月近く桜を楽しめる。

民家の脇、神社の入口、墓地の角、人の集まるところに桜がある。
桜って、自然に咲いているわけではなく植えたものなんだなぁ、と。


今日は男の子の日。.jpg
そうそう、今日は男の子の日だったね。



桜吹雪全快。.jpg
別所温泉入口まで寄り道してから、進路を北に戻して千曲川沿いを抜けて
上山田温泉の手前で県道55号線で麻績までの山越え。
整備された登り道の左右には、これでもかというくらいに桜が。



うっとり。。.jpg
ちょうど満開を過ぎて、散り際。アスファルトに花びらが広がっている。
十分に温まったエンジンは4000rpm以上で気持ちのよい回り方をしてくれて
上り坂がとても気持ちよい。

うっとりしながらのワインディングを楽しんで麻績の町まで下り、そのまま県道12号を北へ。


北アルプス、こんにちは。.jpg
大岡辺りで午後2時半。
北アルプスが屏風のように見えてくる。
ぼんやりと霞んでいるのが残念だけれども、
暑いとも寒いとも感じずに無我夢中で走れる幸せと引き換えだと思えば、悪くない。


山間を抜けて。.jpg
分かれ道に当たる度に、勘で道を選んで大町まで出る。
途中、深い山の中の小さなT字路で地図を見つめて停まっていたベージュのリトルカブは港区ナンバー。
野球帽のようなヘルメットを被った華奢な女の子だったけれども、旅の途中だったんだろうか。
道に迷って決断する楽しさを奪ってもいけないので、静かに横を通り過ぎた。

大町からはオリンピック道路を淡々と南に下って、豊科から1区間だけ高速道路へ。
インターまでの長いクルマの列に行儀よく一緒に並んで、
料金所をくぐってからそれなりに回転を上げてみると、普段以上に回り方が軽やかだ。
車の数はかなり多めで、松本の出口周辺から渋滞が始まっていた。
赤いテールランプの重なりが見えると同時に出口。
エンジンを冷やすつもりで、のんびりと我が家まで。
今日も無事に帰ってくることができた。


無事帰宅。.jpg
しばらくエンジンが冷える様子を眺めていた。
こびりついた虫を拭き取って、布団を掛けて、カバーを2重に。
さて、次にしっかり走れるのはいつかな。
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たまには休んで。 [BMW R100R Mystic]

Sakura scheme.jpg
雪の残る峠にて。.jpg
職場の工場のチーフ・メカに具合を見てもらったおかげで
気になっていた金属音も減り、本来のバランスを取り戻した様子のオリバー君に跨って
ふらりと散歩に出てみることにした。
冬の間、足が遠のいていた木曽路へ。

と、意外にまだ雪がしっかり残っていたりして。


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今日の気分は緑色。 [BMW R100R Mystic]

TooHot..jpg
Green Mystic Apr 1st..jpg

気分を変えようと思い切ってみたものの
なんだか自分のマシンじゃないみたいだな。。

続きにあまり意味はありません。


タグ:羊枕
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森のキャンプ場へ。 [BMW R100R Mystic]

Sunset scheme.jpg
ひっそり深呼吸中。.jpg
ブログ仲間のラスカルさん&ねこにんさん、kobabanさん、YASHさんが
我が家の近くのキャンプ場に集まると聞いて、夜だけ遊びに行くことにした。

職場は改装工事に突入するところで、連日車両を移動したりの慌しさ。
ちょうど3連休の真ん中でもあるし、さすがに仕事に穴を開けるわけにもいかない。
しっかり19時半過ぎまで仕事をしてから家に戻り、慌ててパニア・ケースを大型の方に交換して
寝袋やら着替えやらをねじ込んで出発。


なぜか正座。.jpg
「しだれ栗森林公園」という風情のある名前の場所は塩尻峠から南に下った山間にあって
暗いワインディングをライトの光を頼りに進んでいくと、鹿の目が光っていたり
ころころとした狸が転がるように目の前を横断したりしていった。

静かなキャンプサイトに遠慮しつつ乗り入れて、夕方に店に立ち寄ってくれたねこにんさんに
ロッジまで案内をしてもらって、到着。

ちょっと狭い感じもするけど、もう暑くはないし丁度良いかな。
湯気を立てて煮えているきのこ鍋にありついて、ワインをいただいて。
地元ではお勧めのスーパー「ツルヤ」で仕込んでくれたらしい
「生キクラゲ」があまりにも旨くてびっくり。
それにしても、妙に可愛く正座なのがこのメンバーのいいところ。性格ですね(笑


ほんとに黒い。.jpg
秋のキャンプ場に殻付きの齧りものは欠かせない。
こちらは黒落花生というものらしい。漆黒に近い紫がかった深い色。香ばしくて旨い。

生活環境が変わって、一緒に走る仲間も少しずつ移り変わっていったりするけれども
このメンバーは何時会ってもあまり変わらない気がして、ほっとする。
余計な気を回さなくてもいい、そんな心の穏やかな仲間が居るというのはありがたいこと。

外に出てみると、我々を囲む木々の間からのぞく闇夜には満天の星。
23時を過ぎると、誰からともなく静かに寝袋を広げ始めて、ぐっすり。


まだ朝日が届かない時間。.jpg
早起きのラスカルさんが静かに扉を開けて外から戻ってきた。6時過ぎ。
外に出てみる。


起きぬけの一杯。.jpg
インスタントのドリップでも、いい香り。
珈琲って素敵な飲み物だ。


今日はいい天気。.jpg
少しずつ皆寝袋から這い出してきて、コンロでパンを炙ったりして。
でも、ワタクシはそろそろ戻らなくちゃ。ご馳走さま、またね。

一足先にジャケットに袖を通して、手を振ってキャンプ場をあとにする。
連休最終日、職場でいい話があるといいのだけれども。


朝靄。.jpg


☆☆☆


30000km。.jpg
家に向かう途中で、気がつくとオド・メーターが区切りの数字に変わるところだった。
丸4年、自分で乗ったのは約25,000kmだ。
気に入っている機械なので、もっと乗りたいような気ももちろんするけれども、
大事に温存したいような気持ちが交錯する。
長生きして欲しいな。


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