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走り続けるばかりが旅ではない、の巻。 [BMW R nineT]

Sunset scheme.jpg
1020開田にて。.JPG
秋は一番好きな季節だ。
気温を考えれば春も似たようなもののはずだけれども
これからいいことばかりが続きそうな空気が蔓延していて、少し鬱陶しく感じたりもする。
その点、秋の景色は静かで控えめで、健気なのがいい。

「今年も色々と楽しかったですね、でもちょっと疲れたでしょう、さてもうすぐ冬ですねぇ...」
秋の旅には、そんな空気が漂っている。
慰安旅行には素晴らしく相応しい時期なのだ。

少し前から、我々三人でこの時期に「慰安旅行」に出掛けるのが恒例になっている。
2011年秋は奥蓼科温泉2012年秋は、紅葉の秋山郷を訪ねて馬曲温泉
2013年秋は能登へ出掛けて窓岩の近くに泊り
去年の秋はラスカルさん抜きの番外編で開田高原をYASHさんと走っていた。

ということで、今年も凸凹仲間と見知らぬ場所に向ってみることに。
行き先や見所のシナリオ造りは、去年体調の問題で出掛けられなかったラスカルさん
3人揃わなかった去年は、静かにYASHさんと日帰りの散歩だったから
今年は久々にしっかり走って、ゆっくり温泉にも浸かって楽しむことにしよう。


1020旅に使えるのかどうか。.JPG
こういう旅にはオリバー君=R100R Mysticとこれまでは決めていたのだけれど
今回はR nineTがどの程度旅の足として使えるのかを試してみることに。

ここ最近付けていたシングル・シート・カウル風の小振りなバッグの代わりに
純正のテール・バッグを付け、その中にいつもの旅行鞄を押し込んでみる。
このバッグは想像以上に容量がたっぷりとしていて、
帰り道のお土産などもしっかり飲み込んでくれた。
一泊なら十分な大きさだ。


1020紅葉散歩。.JPG
木祖村の道の駅で待ち合わせて、開田高原へ。
この日は気温も高めで、暖か過ぎず寒過ぎず、何とも心地よい。
陽射しを受けて輝く紅葉の中を走り抜けて、高山へ。


1020静かないい場所。.JPG
平日でも高山の市街はそぞろ歩きを楽しむ観光客で一杯。
この後目指しているのは富山なのだから、昼食は何か適当なものでも....
なんて思ってしまうと、いつもの一人旅と大して変わらないことになる。

ラスカルさんが下調べしておいてくれた店に辿り着くと、
観光客のひしめく路地から1本入っただけだというのに
意外なほど静かな素敵な空間だった。


1020すき焼き御膳。.JPG
「舩坂酒造店」の奥にある「御食事処味の与平」というお店。
建物を外から見た感じでは、古い酒蔵か何かをリフォームして店舗に改装したらしい。
せっかくなので、飛騨牛のすき焼き御膳を頼んでみると、なかなかに旨かった。
お店の環境とお値段を考えると、ちょっと出来過ぎという気がしたくらい。
機会を作ってまた訪ねてみようと思う。


1020高山、いいところです。.JPG
眠くなってしまうほどの満腹ではなく、路地を行く人力車の後ろ姿に見とれているうちに
まだ旅の始まりだったことを想い出す。


1020お腹一杯。.JPG


☆☆☆


1020日本海へ。.JPG
YASHさんが「日本海まではまだ150kmあるよ」と言うのに少しはっとして
東海北陸自動車道で五箇山や白川郷周辺の山々を抜け、富山からは北陸道に乗って、滑川の海岸へ。

ここではっきりと感じたのは、風防の付いていないR nineTで
高速道路を制限速度+αで走り続けるのは、あまり楽しいものではないということだった。
高速ツアラーのRTやオールマイティなTDM900と同じようなペースで走ろうとすると
意外なことにMysticの方が高速域では数段快適だったように思う。

エンジンのパワー自体にはまだまだ余裕があり、車体もしっかりと路面を捉えているのに、
4速で走る速度域で、もう風圧がどうしようもなく辛くなってくる。
5速はたまに入れる程度、6速はトンネルの中など風圧が和らぐ一瞬しか使う機会が無い。
やはり手に入れた時の印象通り、このマシンは山道を駆け上がったり
目的もなく田舎道を走るのには素晴らしく向いているけれども
目的地まで最短距離を高速道路で一気に目指すような走り方をしても楽しくはないのだ。

というような事を歯を食いしばって考えているうちに、ようやく料金所がやって来て、海辺に出た。
さっきまで、あれほど高く澄んでいた青空がいつの間にか隠れてしまって
どこまでも低くどんよりとした雲に覆われている。

でも、日本海って自分にとってはいつもそんなイメージだ。


1020山見えず。.JPG
YASHさんの期待していた北アルプスの険しい山並みは、たぶんこの霞の彼方。
でも、ワタクシはここでヘルメットのシールドにぽつぽつと細かな雨粒が当たり始めるのを感じて
妙にほっとした気分にもなっていた。
二日間の旅なのだもの、山あり谷あり、少し変化があった方がいいのだ。
明日の朝は果たして晴れてくれるのか、スリルがあっていい。

シックな革の上下を新調したばかりのラスカルさんと、
コンパクトにまとめていても装備に怠りの無いYASHさんは、ここで雨具を装着。
ワタクシは...雨具などというもの自体を持ってきていない(笑

1020どんより.....JPG


☆☆☆


1020お釜でご飯。.JPG
海辺から宇奈月温泉を目指し、内陸に入って1時間もしないうちに宿に到着。
温泉街の手前に一軒だけ建つ比較的大きなホテルで
到着するとロビーに着物を召した女将さんが挨拶に立っているという
ちょっと懐かしい雰囲気のある宿だった。


1020宇奈月にて.jpg
夕食は海の幸と、地元の豚肉のしゃぶしゃぶ。
卓上で一人ずつ炊いて食べる白米がなかなかの旨さで、
量も我々には適度だった。
苦しくなるくらいの量は全く要らないので
こういう目で楽しめる食事はありがたい。

部屋に戻って少し寛いでから、温泉へ。
ああ、肩と背中がこわばっていたのだとその時に気が付いた。
普段よりも時間を掛けて湯船に浸かり、部屋に戻ってから持参したウィスキーを飲んでいるうちに
二人よりも先に布団へ。
ここ数ヶ月で一番早かったのではないかというくらい、何も考える間もなく深い眠りに落ちた。


1021早朝。.JPG
熟睡したおかげか、目覚めたのは5時すぎ。
窓から見える向かいの山の輪郭が少しずつ現れ始めて
山肌の紅葉の色が判るくらいの時刻になってから、再び温泉へ。

朝になると男湯と女湯が入れ替わっていて
露天からは、深い山の濃い緑の中に
所々紅や朱色が散りばめられている様子を眺めることができた。


1021適度でした。.JPG
程良い量と品揃えで、気持ちの良い朝食だった。


1020こんがりふっくら。.jpg
軽く干した魚を炙って、美味しいお米で食べる幸せ。
この時期の宿としては格安だったようだけれども、
オートバイも従業員用通用門のような屋根下の場所に停めさせてもらえて
何とも平和で快適な宿だった。

身支度を整えて外へ出ると、再びの快晴。
昨日に続いて、また暖かくなりそうな予感。

温泉街を通り抜けて宇奈月温泉駅まで出て、
目的のもう一つ、「黒部峡谷鉄道」の駅へ。
オートバイ用の駐車場スペースもあり、一回の利用料は400円。
Harley-Davidsonのトライクが2台停まっていた。


1021小さいのです。.JPG
黒部峡谷鉄道の機関車は、遠近感が歪んでしまったように感じるほどの小ささ。
YASHさんとも話していたけれども、多分ラスカルさんが企画していなかったら
わざわざ時間を使ってこういうものに乗ってみようとは思わなかっただろうと思う。

停車駅としては二つ目の「鐘釣駅」まで行って、そこで20分ほど過ごしてから帰って来ることにする。



▲富士フイルムのXF1で撮ってみた「後曳橋」(一つ目の停車駅「黒薙駅」のすぐ先)の様子はこちらで。



▲二つ目の停車駅、鐘釣駅でのスイッチバックの様子。


1021楽しい!.JPG
ベンチ・シートで剥き出しの客室の感じといい、
大したスピードが出ていない割にはガタゴトという振動の激しさや目の前に迫る岩肌などのおかげで
なにやらディズニーランドのアトラクションを長時間楽しんでいるような気分にもなってくる。

感心したのは、車内の案内放送がよく考えて作られていること。
地名の由来や、次々に現れる険しい景色を写真に撮るためのタイミングを教えてくれたり
深い峡谷を見下ろした先に拡がる水面が何故エメラルド・グリーンに見えるのか、
なんていうことも説明してくれて、こういう放送にありがちな煩さを感じさせない。



1021紅葉と翠玉。.JPG
宇奈月温泉駅近くまで戻ってくると、遠くに見えるホテルの従業員らしい人なども
こちらに向かって手を振っている。
この土地の人々が、皆で本当に「また来てくださいね」と思って過ごしているように思えて
なんだかとても良い体験をしたように感じたのだった。

至極後味の良い黒部峡谷鉄道の小旅行を終えて、一路糸魚川へ。
マシンを離れている間に、もうすっかり昼近く。


1021飛び込んだにしては上出来。.JPG
YASHさんが下調べをしておいてくれた地元民御用達の回転ずしの店は何故かお休み。
気を取り直して辿り着いた海岸線沿いの割烹料理の店で、「8種の海鮮丼」を。
いきなり飛び込んだにしては上出来の味で、海辺はやっぱり良いなぁと思ったのだった。


1021たまには眼鏡も外して。.JPG
国道に面した窓際はカウンターのようになっていて、
夜はアルコールでも出すのだろうか。
眼鏡を外して、しばらく外の碧い景色を眺めていた。

ぽかぽかとした暖かさがまだ残っているうちに、国道を南下して小谷村から白馬村を抜けて安曇野へ。
夏の大きなイベントの仕事で来たばかりのせいか、白馬まで辿り着くと
もうワタクシにとっては生活圏内という気分になる。

地図を広げてみると、小谷~白馬から西へ山を隔てたすぐ先に黒部峡谷~宇奈月温泉はある。
数十キロの距離だというのにクルマで行き来できないほどの険しい山脈。
この先、この区間がトンネルなどで結ばれることはあるのだろうか。


1021またね。.JPG
まだ明るさが残っているうちに安曇野まで戻って、最後の休憩。
いつもこういう旅行のプランを練っておいてくれたり
観るべき場所を色々と考えておいてくれる二人に感謝して、
自分は一足先に家路へ。

多分、好みも性格も違う三人だからこそのバランスが心地よいのだろうな...
などとこの二日間の出来事を思い返しながら、早々に目を閉じて横になった。
楽しい時間は一瞬、と言うけれども、今回はとても長い時間を過ごしたような
不思議に濃い印象の旅だったように思えた。


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秋恋し、その2。 [BMW R nineT]

Natsuzora scheme.jpg
0826イラスト風に-3。.jpg
しとしとと雨が降り続いているうちに、8月ももう終わり。
今年は、季節の移り変わりが例年よりも少しずつ早いような気がするけれども
きっとまだ残暑の厳しさにぐったりする日があるのだろうな....
と思って、気を抜かないようにしている。
気を抜くと、油断した身体が暑さに参ってしまって、何も考えられなくなりそうだから。

この夏も、いろいろなことがあったなぁ。
まだ終わってもいないのに、そんな風に感じるのは
それなりに充実していたおかげだ、と思うことにしよう。
うん、そうしよう。

仲間が新しいマシンに乗り換えて、その出発にも立ち会えたし
自分のマシンにも手を入れたり、模様替えをしたりして
なかなかに楽しい幸せな夏だった。
夏にそういう気分になったのなんて、随分久しぶりだ。

いい気分でいると、またいいことがある。
そんな思いをポケットにしまって8月を終えられるのは
なんだか嬉しい。

よし、9月も新鮮な気分で迎えることができそうだ。


※この記事は基本的には単なる独り言であります。


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秋の開田高原はいつも通り素敵でした。 [BMW R nineT]

Forest_scheme.jpg
1029奥まで行ってみたかったけれども。.JPG
ここ何年か、秋に仲間と一緒に泊り掛けでオートバイで出掛けるのが恒例の行事になっていたけれども、
いつも一番念入りに行き先などを考えてくれていたラスカルさんがしばらく療養中なので
我々凸凹3人組の中でも一番体温の低いYASHさんと二人で開田高原に向かってみることにした。

もともと二人とも好きな場所だ。しかも、秋。
走るのにも絶好の季節だというのに、突然の噴火に驚かされてからというもの
開田高原一帯は観光客もばったり少なくなって、地元の人達は困っているとも聞いた。
よし、たまには小さなお財布の紐を遠慮なく緩めるつもりで出掛けようではないか。


1029こんなに小さかったっけ。.JPG
集合場所はお互いの生活圏から均等、というよりもずっとワタクシのエリア寄りの木曽福島の道の駅。
国道19号が至る所で舗装工事のために片側通行止め&交互通行になってしまっていたりして
かなりお待たせしてしまった。ごめんね。

こうして並ぶと、全く違うクラスの乗り物のように小さく見える新入り君。
道の駅の一角には御嶽山を望むデッキのような場所があって、うっすらと噴煙らしきものが
西へ流れていくのが見えるようだった。
だった、と曖昧なのは、デッキ周辺がかなりの人だかりで近づく気になれなかったから。


1029うっすらと。.JPG
開田高原を時計回りに走るするつもりで、県道20号に入って北へ。
素晴らしく晴れ渡った空、気温も思った以上に上がってきて快適だった割には
交通量も記憶の中の様子と比べると随分少ない。
時々景色が開けると、大きめのクルマを停めて
三脚に乗せた大きなカメラを構えるオジサマ達が目に付いた。

御嶽ロープウェイの乗り口に通じている「ブルーライン」の入り口には
噴火の影響で当面通行止めという看板。
山頂からはかすかに煙がたなびいているのが見えたけれども、
道路も建物も、火山灰が降ったというということを感じさせるものはほとんどない。
我々が知らないだけで、実際には相当頑張って掃除や修復ををしたのかもしれない。

噴火の様子を確かめに来た、という雰囲気のクルマばかりにしか出会わないことに
かなりの違和感を覚えつつ、見覚えのある砂利道の入り口を見つけて「タビタのパン」さんへ。


1029お久しぶり。.JPG

1029手造りだそう。.JPG
お店の造りも、5年前に2回続けてきた時とほとんど変わっていない。
手造りだという建物も、作っているパンと一体の暖かい雰囲気があり、
人は気に入った土地と情熱があればこうやって生きていけるということをありありと表わしていて
来る度になんだかとても幸せな気持ちになる。


1029こんなストーブが欲しいな。.JPG
いつものエプロン姿の奥さんは、材料がちょっとした手違いで届かなくて
今日は種類がほとんどない、と申し訳なさそうな顔をしていた。
それでも、フルーツやナッツが入ったカンパーニュと、そのプレーン版があり
一つだけあった甘いフルーツをあしらったパンをYASHさんに譲って
ワタクシはここで焼いたという丸々とした焼き芋と「メイちゃんサブレ」の最後の一枚を。
メイちゃん、というのは、こちらの看板娘さんだ。


1029馬っぽい。.JPG
こういう景色には、クルマよりもオートバイの方が似合うような気がする。
右奥の木陰で、看板娘さんはまどろみ中...


1029あそんでくれー。.jpg
やあ久し振り、と名前を呼んで近づいてみたものの、まだ半分夢の中なのかあまり反応がなく
少しするとむっくりと起き上がって突進してきた。
ぐりぐり、どすん!
しばらく頭をごしごしとさすってあげると嬉しそうな顔をして
こちらが背中を向けると突き飛ばされそうなくらいの頭突き(笑
気が付くと、ズボンも上着も堅くて白い毛が一杯。

この辺りも当日はかなり灰が積もってちょっと大変だったそう。
翌日からはカメラを構えた人が大勢みえて...と語尾は濁していたけれども
きっと地元の人は「写真を撮るだけじゃなく観光もお願いします」
という気持ちだったのではないかと思う。

こちらのお店に来るのは多分3回目なんです、などと話していると
奥さんが「この近くに『ドイツトウヒの森』という個人の方が植林した素敵な森があって
入口に乗り物を停めて入ってもらっても大丈夫ですので、もし興味がおありだったら是非」
と勧めてくれたので、そこを目指してみることにした。
ということで、冒頭の森の写真の場所へ。


1029影が素敵。.JPG
うーん、かなり樹高のある深い森だ。
聞くと、40年ほど前に植林を始めたのだという。

森の中心にクルマも通れるような空間があり、南側が深い森になっていて
北側にはここ数年に植えられたようなトウヒの若い木が綺麗に並んでいた。
これからまた数十年もすると、ちょっと何処の国に来たのかわからないような
素敵な景色に育っているのだろうと思う。


1029夏はボート遊び。.JPG
静かな水面を見ながら、初夏には二人でボートを漕ぎ出しても良いだろう。
睡蓮の葉が浮かんでいて、その陰には錦鯉...不思議な組合せ。
ちょっと絵本の中の世界のような場所だった。

個人の方の家のすぐ脇なのだということを思い出して、そろそろ退散することにする。
ちょうどお昼を少し回ったところ。
職場のお客さんに教えてもらった国道361号線沿いにあるパスタ屋さんへ。


1029一工夫あり。.jpg
「開田って言うと蕎麦だけどさ、面白いパスタ屋さんさんがあってね...」
そんなことを教えてくれたのは、オリバー君と同じマシンに乗るハンサムな方だった。
「こないだはナポリタン食べたんだけど、なんていうか昔ながらの味で、これがまた旨いんだよね」
そのことを妻に伝えると、ナポリタン大好きな彼女は
しっかり事前に調査してくるように、と言うのだった(笑

そして、期待を裏切らない一皿が。
トマトソースの味付けはやや「大人味」で、ケチャップが勝ちすぎた甘ったるさは無く
ぶなしめじと玉葱、ピーマンなどをメインにした野菜と一緒に
輪切りのウインナーなど正統派の具もしっかり入っており
最後の一口まで充実したまとまり感があった。

YASHさんの頼んだ一皿は手打ちのパスタ。
クリーム・ソースに柚子胡椒風味というのは想像がつかなかったけれども
一口戴いた限りでは「実験君」にはなっておらず、クリーム味の単調さを上手く工夫していると思った。
よし、また来よう。

食後のコーヒーがとても美味しかったこともあり、男二人でぼそぼそといろいろな話をした。
まあ、こういうのもたまにはいい。

このまま時計回りに南下して19号に出たところで別れると
十分明るいうちに帰れそうだったのだけれども
19号の帰りもまた工事渋滞だとわかっているのは気が進まないので
暖かな気温に気を良くして野麦峠越えで奈川まで一緒に走り、そこで南北に別れることにした。


1029野麦峠にて。.jpg

1029YASHさん的に。.JPG

1029秋の開田を行く。.jpg
▲YASHさん撮影(車載カメラ)

新しいマシンで半日以上走るのは始めてだったけれども
オリジナルよりもずっと前傾姿勢の度合いが強い割には
腰や肩の疲れを感じることがほとんどなかった。

何より、手首の角度が自分好みになったことで操作する楽しさが増して
スピードがさほど出ていなくても、身体に近いところで路面が流れていく爽快さに
時間が過ぎていくのを忘れそうになった。
きっと軽量なスポーツカーで走る楽しさもこんな感じなのかもしれないな...などと思いながら。

YASHさんと別れる直前にお互いのマシンをほんの少しだけ交換して走ってみると
黄色のTDMはいかにも軽快なツアラーで、何処まででも走れそうな感じだった。
ケースなどを付けて、旅の道具に仕立ててみたくなるのもよくわかる。
それでも、ドイツ製品のどこか突き放すような素っ気なさとは違って
繊細で肌理の細かな感触があるのは、やっぱりYAMAHAらしさということなのかな。


1029成層圏的な青。.JPG
短い時間の割には不思議な充実感があって、
帰って来る頃にようやく空と水平線の際の色が変わり始めた。

Rascalさんへ、
次回はまた凸凹3人組で出掛けるので、しっかり準備しておくようにね。
では、また。



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夏を少し振り返る。 [BMW R nineT]

Forest_scheme.jpg
0813tobira.JPG
この夏は忙しかった。
職場で大きなイベントもあったし、天候はなかなか安定せず
気が付くといつもの年のような灼熱地獄をあまり感じないまま、もう空は秋の色合いになっている。
なんだか不思議な夏だった。

そんなこの一月ほどの間にも、少し時間ができるとオートバイに乗った。
短い時間でも全身で受ける刺激はいつも新鮮で
多少疲れていても、帰ってくる時には元気が戻ってきたような気がした。
上の写真は、霧ヶ峰から下りてくる山道で撮ったもの。

0820 高台にて.JPG
ここ最近気に入っている高台にて。
霧ヶ峰まで出掛けた翌週の8月20日、もう空はこの頃から秋のようだった。


夏の収穫いろいろ.jpg
雨の多い8月ではあったけれども、我が家ではいろいろな収穫もあって楽しかった。
小粒のメロンやスイカ、最近になって小豆も。
泥だらけで玄関を汚してもいけないので、入り口前には文字通り「亀の子たわし」。


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そんな野菜の育つ庭先で、しっかり妻と花火も楽しんだ。
相変わらず、二人とも一番好きなのは線香花火。


☆☆☆

塗装依頼部品0902.jpg
しばらくいろいろなイベントも続く予定だったので、
以前から手を付けてみたかった外装の着色を試してみることにした。
アルミ色が妙に目立ちすぎるように思えて気になったのは、この5か所。

最初は、仕事で付き合いのあるアルマイト加工工場で
カラーアルマイトをお願いするつもりでいた。
工場の職人さんと話してみると、アルミ合金製のものは含有物が正確にわからないと
アルマイトの処理で表面がひどく荒れてしまったりするのでお勧めできない、とのこと。
それでは、としばらく考えてから粉体塗装を試してみることに。

粉体塗装=パウダー・コーティングというとかなり高価なイメージがあるけれども
職場からさほど遠くない場所にある会社が最近になって専門の事業部を立ち上げて
オートバイや自転車の部品の塗装の個別注文も受け付けてくれるらしいことを知り、
今後の仕事での付き合いも考慮して試験的に頼んでみることにした。


0916Paint-it-black-3.JPG

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2週間ほどして仕上がった部品を受け取ると、質感はなかなか良い感じだった。
マンセルのカラーチャートで色合いもかなり自由に指定できるのだけれども
今回は無彩色で黒に近い「N2」という濃いグレーに。
艶の度合いは7分艶。

0916Paint-it-black-1.JPG
うん、タンクも少し細身に見えて、かなり思った通りのイメージに近くなってきた。
このマシンは細身で軽量かつシンプルなのが身上だと思うので
個人的には、あまり光りもので飾り立てたくないのだ。

あとは、ヘアライン仕上で磨いてクリアーを掛けてある
燃料タンクの明るい銀色の部分がちょっと目立ち過ぎることくらいかな。


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新しいマシンばかりをかまっていて拗ねられるといけないので
ちゃんとオリバー君も整備をして、2年ごとの車検も受けておいた。


0917駒ケ根スナップ.png
先週の休みには、久々に妻を後ろに乗せて伊那から駒ケ根方面へ。
穏やかな休日に二人乗りで景色を楽しみながら走るのには
加減速が過敏にならないこの子の方が快適で疲れも少ない。

0917駒ケ根スナップ2.png
昔から大好きな光前寺の「赤飯饅頭」を買い込んで、
ヘルメット越しに冗談を言い合いながら平和に帰宅。

と、頼んでみた新しい部品が届いた。
オリバー君にも使っている「CSS GERMANY」という刻印のあるタンクパッド。
ドイツのWunderlich社が扱っているのだけれども、日本国内の代理店の扱い品目には無かったので
品番を指定して取り寄せてもらったのだった。


RnineT_KneePads.jpg
ちなみにBMW純正オプションのニー・パッドはこんな形状。
この位置だと残念ながら膝はほとんどパッドに当たらない。


0924Tankpad_added_4.JPG

0924Tankpad_added.JPG
ということで、届いたCSS印のパッドを装着してみた。
純正オプションよりは大きな面積を覆ってくれるので、
燃料タンクが少し小振りに見えるのもいい所。
ジャケット類のファスナーで擦れてしまいそうなタンク上面のパッドもセットになっている。

0924Tankpad_added_3.JPG
左側はこんな感じに。
右側には吸気パイプがあるせいで、タンク自体は左右非対称の形状なのがよく判る。

外装関係で手を付けるのは、ここまでで一休み。
しばらくはこの状態で楽しんでみるつもりだ。


☆☆☆

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BMW Motorradが配信している"Soul Fuel"と題するビデオは
なかなかに良く出来ていると思う。
何より、ごく普通にオートバイに乗るということの楽しさが
とても自然に映像に溢れているところが、いい。

NineT_Video_2.jpg

NineT_Video_3.jpg

荷物もほとんど持たず、ただ走ることだけでもこんなにも楽しいことだったかと
あらためて感じさせてくれるオートバイ。
我が家に来た新しい子は、そんな機械なのでした。


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自分の好みに合わせていく。 [BMW R nineT]

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我が家に新しくやってきたR nineT(ナインティ=BMWオートバイ部門の90周年記念モデルなのです)。
取りあえず家の周りをほんの少し走ってみたあと、
その次の休みに妻を後ろに乗せて、さらりとビーナスラインまで出掛けてみた。

シートは薄く見えるけれども意外に乗り心地は犠牲になっておらず
タンデム・ステップが比較的自然な低い位置にあることもあって、同乗者にも好評だった。
平日の霧ヶ峰は晴天でも爽やかな風に満ちていた。ニッコウキスゲもちらほらと咲いていて
鹿に食べられて一気に少なくなったと言われた数年前よりは増えているように見えた。

ただ、快適な半日の散歩を楽しんだ後にやはり気になったのは
ハンドルの絞り角が少ないために手首が少し疲れることと、
ハンドル幅自体もかなり広いために、どうも違和感が抜けないことだった。


Lo-rider&nineT.jpg
nineTのデザイン・モチーフになったのは、2008年の暮れに発表されたコンセプトモデル、
”Lo-Rider Concept”(写真上)なのだろうと思う。
BMW独特のフロント・サスペンションを敢えて捨てて、
手に入れた人が外装などを好みで換えて楽しめるというショー・モデルだった。
2009年の春に、当時日本でのBMWオートバイ部門のトップだったライナートさんに
このLo-Rider Conceptはとても魅力的だと思うけれども販売する予定はないのかと訊ねると、
「あのコンセプトは、トップブリッジとかフレーム接合部などのあらゆるディティールが
 凝った仕上げでないと成り立たないので、なかなかコストが折り合わないんだ」と、
商品化は難しそうな答えだったことを覚えている。

見比べるとわかるようにLo-Rider Conceptはクルーザー的にフォークが寝たポジションで
ハンドル幅がやや広めでフラットなのも似合っていた。
その点、nineTはごく普通のスポーツ・マシン的にフォークが起きているけれども
ハンドル自体は同じようにフラットで幅広なものが付いている。
その点がどうもちぐはぐな感じがしてしまう。

幅広過ぎ.jpg
こちらはBMW Motorradの広報写真。
こんな風に幅広のハンドルに対してやや肘を張りだすようにしないと
手首の角度が不自然になってしまって、個人的にはどうも気分が良くないのだ。


StreetFighters.png
このハンドルの設定は、今の欧州のロード・スポーツ・マシンの主流になっている
「ストリート・ファイター」的な乗り方を想定しているのだろうと思う。
意識して上半身を前傾させて、手首だけを曲げるのではなく肘を張りだして
グリップを外側から握るような感じだ。
確かにこういう乗り方ならば、このハンドルも悪くは無い。
でも、一日中こんなファイティング・ポーズ(笑)を取りながら走るつもりは、ワタクシは無い。

かといって、ノーマルのR1200Rのようなアップ気味で安楽なポジションも
ちょっと緊張感が希薄でnineTには似合わないような気がする。
そういう訳で、ワタクシが試してみることにしたのは
取付部各部の寸法が共通なBMW F800Rの純正ハンドル。

0730ハンドル交換後.jpg
上がnineTの標準状態、下はF800Rのハンドルに交換した状態。
F800Rはしっかり重たいバーエンド・ウェイトの一部がグリップの内側に入り込んだ状態で
固定されるタイプなので、そのウェイトを装着したうえで
nineT用の装飾的なアルミ色のバーエンド・プレートを外側から被せて固定してみた。
グリップ両端の幅で比べると790mm⇒725mmと約7.5cm狭くなった。

狭くなっただけでなく、手前に向けて絞り角も大きくなったおかげで
手首の角度は格段に自然に。
ただし、ハンドル・ポストからの立ち上り部分は随分低くなったので
ポジションとしては相当コンパクトで、ハンドルがやや遠く感じられる。
そこで、ドイツのWunderlich社から発売されているハンドル・アップ用のスぺーサーを
あわせて装着してみることにした。


0807ハンドル比較2.jpg
上がノーマル(広報写真)、下がF800R用ハンドル+Wunderlich製スぺーサー装着後。
ちなみに、ミラーもノーマルには他の現行車種と共通のものが付いているけれども
ワタクシはこの形があまりnineTには似合わないような気がしたので
R100シリーズの頃の丸い物に換えてある。

ノーマルと見比べるとかなり低く構えたポジションに見えるけれども
前傾がさほどきつくなったという印象は無く、
かえって腕を伸ばして手を置く角度が自然になったおかげで
自分にとってはこのポジションの方がリラックスできる。


0807ハンドルポスト詳細.JPG
スぺーサーはこんな形でなかなか上手くデザインされており
ハンドル・クランプそのものとトップ・ブリッジの間に挟まるようになっている。


0807メーターステー周辺.jpg
というものの、何の問題もなくスムーズに交換できたわけではなかった。
ノーマルでもクラッチの油圧ホースが軽くメーター・パネルに当たっているほどの狭いクリアランスで
F800Rのハンドルに換装してみると、そのホースがかなりメーターを強く押してしまうので
しばらく考えてからメーター・パネルを支えるホルダーの位置を変更したのだった。

写真は、メータパネル側からトップ・ブリッジを眺めたところ。①が先ほどのスぺーサー。
②の部分のメーター・ステーの固定ボルト位置(下からトップ・ブリッジに向けて4本のボルトで
固定されている)の穴を開け直して、メーターパネル自体を5mm程度前方にずらした位置で
固定できるようにした。
穴を開け直しただけでは元の穴の縁が見えてしまうので、アルミのカラーで隙間を塞ぎ
トップブリッジとの接触面に薄い硬質ゴムの径の大きなワッシャーと共に挟んで
見た目を整えつつ、メーター本体が若干下に傾いた角度で固定してある。


0807押してない。.JPG
微妙な調節をして、ホースやワイヤー類との干渉は何とかぎりぎりで避けることができた。
ハンドルをフル・ロックしても、不自然な引っ張りなどは無し。


0812ワンポイント.jpg
ついでに、大きめの穴が開いたままなのが妙に気になるハンドル・ステムにも
穴を塞ぐようにBMWの小さめのエンブレムを。



0807ハンドル比較.jpg
ノーマルよりやや高い位置に置かれて、短い幅で低く構えた角度に収まったF800R用のハンドル。
試運転で空港の外周路を軽く流してみると、期待した通りの自然な操舵感で
ノーマルに比べて、かなりスポーティに感じられるようになった。
元々ツーリングに使ったり旅の相棒としてこのマシンを選んだ訳ではないので
このコンパクトさとハンドリングの自然さの方がワタクシにとっては大事なのだ。



0807空港にて.JPG
マシンを降りて、少し離れてあらためて眺めてみると
1200ccの2気筒とは思えない小振りなボリュームがこのマシンの大きな魅力だと思った。
燃料タンクはアルミ製で軽く、クラッチを繋いだ瞬間に感じる身軽さとダイレクト感は
我が家の他のマシン達とは大きく違う個性だ。


0807黒いものが好き。.jpg
この日の持ち物は、偶然なのだろうけれども同じような質感の物が揃った。
黒い鞣革のカード・ケースはもう20年近く使っている無印良品の物。
20代の頃に財布というものを持ち歩かなくなってから(現金はズボンのポケットに直接入れている)、
このカードケースが貴重品のほぼすべてになってしまっている。
身軽でいいのだ。

さて、ポジションはようやく自分好みになってきた。
この先は、少しずつ外装もいじってみようかな...


RninetBlackout.jpg
まず手を付けたいのは、車体各部に点在して自己主張し過ぎているように感じる
アルミ色の装飾的な部品の色合いを変えてしまうこと。
シート下のフレームに被せてあるガゼット風のパーツと
フロント・フェンダーの武骨なステーは、アルマイトで色のトーンを落としてしまいたい。
フロント・フォークのアウター・チューブも、あまりにやる気満々なオレンジ色が目立つので
ほんのりチタン色程度に変えたいけれども、これはまた後日にでも。
もしフォークをいじる時には、フロント・フォークの突出しも少し押し戻してみたら
時にクイック過ぎるように感じるハンドリングがほんの少し落ち着くかもしれない。

アルミ製タンクのニー・グリップ部のパネルは、アルミのヘアーラインの上からクリア塗装
という仕上げなのだけれども、さらにその上から濃い色のクリア―を重ねて、
シリンダー・ヘッド・カバーと同じくらいのトーンに色合いを調整したい。

地味すぎるって?
はい、乗り手に合わせて地味に行くのです。



0807空港にて。.jpg
一日中走っても疲れないような身体に優しいマシンが大好きだというのに
新しい子は「ストレス解消マシン」的な緊張感や凝縮感もあって、なかなか素敵。
半ば冗談で「2時間スペシャルです」などと言ってはみたものの
その2時間の楽しさは、これまであまり体験したことの無い濃い密度のようにも感じられて
他のマシンとは良い意味で住み分け(棲み分け?乗り分け?)ができそうな気分なのだった。
めでたしめでたし。

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家族が増えました。 [BMW R nineT]

Natsuzora scheme.jpg
0716新入り君3。.JPG

0723新入り君2。.jpg

0723新入り君3。.jpg
多分、今年と来年しか生産されない清楚な新人君に目が眩んで
家族会議の結果、我が家の一員になってもらうことになりました。

子供部屋は無いので、車庫の一角を何とか無理矢理拡げて。
オリバー君とはちょうど20歳差。
なかなか活発で元気な子です。
さて、どんな子に育ってくれるかな...


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