SSブログ

秋の開田高原はいつも通り素敵でした。 [BMW R nineT]

Forest_scheme.jpg
1029奥まで行ってみたかったけれども。.JPG
ここ何年か、秋に仲間と一緒に泊り掛けでオートバイで出掛けるのが恒例の行事になっていたけれども、
いつも一番念入りに行き先などを考えてくれていたラスカルさんがしばらく療養中なので
我々凸凹3人組の中でも一番体温の低いYASHさんと二人で開田高原に向かってみることにした。

もともと二人とも好きな場所だ。しかも、秋。
走るのにも絶好の季節だというのに、突然の噴火に驚かされてからというもの
開田高原一帯は観光客もばったり少なくなって、地元の人達は困っているとも聞いた。
よし、たまには小さなお財布の紐を遠慮なく緩めるつもりで出掛けようではないか。


1029こんなに小さかったっけ。.JPG
集合場所はお互いの生活圏から均等、というよりもずっとワタクシのエリア寄りの木曽福島の道の駅。
国道19号が至る所で舗装工事のために片側通行止め&交互通行になってしまっていたりして
かなりお待たせしてしまった。ごめんね。

こうして並ぶと、全く違うクラスの乗り物のように小さく見える新入り君。
道の駅の一角には御嶽山を望むデッキのような場所があって、うっすらと噴煙らしきものが
西へ流れていくのが見えるようだった。
だった、と曖昧なのは、デッキ周辺がかなりの人だかりで近づく気になれなかったから。


1029うっすらと。.JPG
開田高原を時計回りに走るするつもりで、県道20号に入って北へ。
素晴らしく晴れ渡った空、気温も思った以上に上がってきて快適だった割には
交通量も記憶の中の様子と比べると随分少ない。
時々景色が開けると、大きめのクルマを停めて
三脚に乗せた大きなカメラを構えるオジサマ達が目に付いた。

御嶽ロープウェイの乗り口に通じている「ブルーライン」の入り口には
噴火の影響で当面通行止めという看板。
山頂からはかすかに煙がたなびいているのが見えたけれども、
道路も建物も、火山灰が降ったというということを感じさせるものはほとんどない。
我々が知らないだけで、実際には相当頑張って掃除や修復ををしたのかもしれない。

噴火の様子を確かめに来た、という雰囲気のクルマばかりにしか出会わないことに
かなりの違和感を覚えつつ、見覚えのある砂利道の入り口を見つけて「タビタのパン」さんへ。


1029お久しぶり。.JPG

1029手造りだそう。.JPG
お店の造りも、5年前に2回続けてきた時とほとんど変わっていない。
手造りだという建物も、作っているパンと一体の暖かい雰囲気があり、
人は気に入った土地と情熱があればこうやって生きていけるということをありありと表わしていて
来る度になんだかとても幸せな気持ちになる。


1029こんなストーブが欲しいな。.JPG
いつものエプロン姿の奥さんは、材料がちょっとした手違いで届かなくて
今日は種類がほとんどない、と申し訳なさそうな顔をしていた。
それでも、フルーツやナッツが入ったカンパーニュと、そのプレーン版があり
一つだけあった甘いフルーツをあしらったパンをYASHさんに譲って
ワタクシはここで焼いたという丸々とした焼き芋と「メイちゃんサブレ」の最後の一枚を。
メイちゃん、というのは、こちらの看板娘さんだ。


1029馬っぽい。.JPG
こういう景色には、クルマよりもオートバイの方が似合うような気がする。
右奥の木陰で、看板娘さんはまどろみ中...


1029あそんでくれー。.jpg
やあ久し振り、と名前を呼んで近づいてみたものの、まだ半分夢の中なのかあまり反応がなく
少しするとむっくりと起き上がって突進してきた。
ぐりぐり、どすん!
しばらく頭をごしごしとさすってあげると嬉しそうな顔をして
こちらが背中を向けると突き飛ばされそうなくらいの頭突き(笑
気が付くと、ズボンも上着も堅くて白い毛が一杯。

この辺りも当日はかなり灰が積もってちょっと大変だったそう。
翌日からはカメラを構えた人が大勢みえて...と語尾は濁していたけれども
きっと地元の人は「写真を撮るだけじゃなく観光もお願いします」
という気持ちだったのではないかと思う。

こちらのお店に来るのは多分3回目なんです、などと話していると
奥さんが「この近くに『ドイツトウヒの森』という個人の方が植林した素敵な森があって
入口に乗り物を停めて入ってもらっても大丈夫ですので、もし興味がおありだったら是非」
と勧めてくれたので、そこを目指してみることにした。
ということで、冒頭の森の写真の場所へ。


1029影が素敵。.JPG
うーん、かなり樹高のある深い森だ。
聞くと、40年ほど前に植林を始めたのだという。

森の中心にクルマも通れるような空間があり、南側が深い森になっていて
北側にはここ数年に植えられたようなトウヒの若い木が綺麗に並んでいた。
これからまた数十年もすると、ちょっと何処の国に来たのかわからないような
素敵な景色に育っているのだろうと思う。


1029夏はボート遊び。.JPG
静かな水面を見ながら、初夏には二人でボートを漕ぎ出しても良いだろう。
睡蓮の葉が浮かんでいて、その陰には錦鯉...不思議な組合せ。
ちょっと絵本の中の世界のような場所だった。

個人の方の家のすぐ脇なのだということを思い出して、そろそろ退散することにする。
ちょうどお昼を少し回ったところ。
職場のお客さんに教えてもらった国道361号線沿いにあるパスタ屋さんへ。


1029一工夫あり。.jpg
「開田って言うと蕎麦だけどさ、面白いパスタ屋さんさんがあってね...」
そんなことを教えてくれたのは、オリバー君と同じマシンに乗るハンサムな方だった。
「こないだはナポリタン食べたんだけど、なんていうか昔ながらの味で、これがまた旨いんだよね」
そのことを妻に伝えると、ナポリタン大好きな彼女は
しっかり事前に調査してくるように、と言うのだった(笑

そして、期待を裏切らない一皿が。
トマトソースの味付けはやや「大人味」で、ケチャップが勝ちすぎた甘ったるさは無く
ぶなしめじと玉葱、ピーマンなどをメインにした野菜と一緒に
輪切りのウインナーなど正統派の具もしっかり入っており
最後の一口まで充実したまとまり感があった。

YASHさんの頼んだ一皿は手打ちのパスタ。
クリーム・ソースに柚子胡椒風味というのは想像がつかなかったけれども
一口戴いた限りでは「実験君」にはなっておらず、クリーム味の単調さを上手く工夫していると思った。
よし、また来よう。

食後のコーヒーがとても美味しかったこともあり、男二人でぼそぼそといろいろな話をした。
まあ、こういうのもたまにはいい。

このまま時計回りに南下して19号に出たところで別れると
十分明るいうちに帰れそうだったのだけれども
19号の帰りもまた工事渋滞だとわかっているのは気が進まないので
暖かな気温に気を良くして野麦峠越えで奈川まで一緒に走り、そこで南北に別れることにした。


1029野麦峠にて。.jpg

1029YASHさん的に。.JPG

1029秋の開田を行く。.jpg
▲YASHさん撮影(車載カメラ)

新しいマシンで半日以上走るのは始めてだったけれども
オリジナルよりもずっと前傾姿勢の度合いが強い割には
腰や肩の疲れを感じることがほとんどなかった。

何より、手首の角度が自分好みになったことで操作する楽しさが増して
スピードがさほど出ていなくても、身体に近いところで路面が流れていく爽快さに
時間が過ぎていくのを忘れそうになった。
きっと軽量なスポーツカーで走る楽しさもこんな感じなのかもしれないな...などと思いながら。

YASHさんと別れる直前にお互いのマシンをほんの少しだけ交換して走ってみると
黄色のTDMはいかにも軽快なツアラーで、何処まででも走れそうな感じだった。
ケースなどを付けて、旅の道具に仕立ててみたくなるのもよくわかる。
それでも、ドイツ製品のどこか突き放すような素っ気なさとは違って
繊細で肌理の細かな感触があるのは、やっぱりYAMAHAらしさということなのかな。


1029成層圏的な青。.JPG
短い時間の割には不思議な充実感があって、
帰って来る頃にようやく空と水平線の際の色が変わり始めた。

Rascalさんへ、
次回はまた凸凹3人組で出掛けるので、しっかり準備しておくようにね。
では、また。



コメント(12)  トラックバック(0) 

コメント 12

RO

薪ストーブ!?

エアフィルタ大丈夫?
かなり細かい灰とか...
by RO (2014-11-06 05:02) 

HIRO

こんにちは。
秋の1日良いですね。

冬のスキー場も開場時期が遅れるとか….風評被害も心配です。
by HIRO (2014-11-06 20:01) 

knacke

おでかけ上手さん〜。
おいしいいパンとおいしいパスタがとっても気になる、気になる!
素敵な秋のオトナサマオトコふたり旅ですね。
色の美しい風景もおいしそうです。
by knacke (2014-11-06 20:39) 

ナツパパ

秋の一日、気の置けない友人と二人でお出かけ、羨ましいです。
ナポリタン好きでは人後に落ちない、と勝手に自負しているわたしですが、
記事のナポリタンは美味そうです。
我が家では、もう少し幅のある、リングィーネという種類の麺を使います。
ちょうど、中華麺の平打ち麺くらいの感じで、とてもソースが絡むんですよ。
by ナツパパ (2014-11-07 10:34) 

YASH

去年の能登に続いて、今回も暖かくて穏やかな日でしたね。
なのに空気が澄んでいて、おかげで写真がいつになくきれいに見えます。

R nineTは、卸したてのまだシワの位置も定まってないような、
厚手のレザージャケットを着ているような気がしました。
この大きくてまだガサつきの残るツインも、革が馴染んでもう一つの
外皮になるように、やがては乗り手の意識と同調するようなエンジンに
なるのかもしれないな、なんてね。

TDMもそんな頃はあったんだけど、ドイツ製に比べると
革が柔らかいのでこなれるのも早いんです。
近頃はもうちょっとコシが欲しくなってきました。

で、harryさんは3人の中で一番何?

by YASH (2014-11-07 21:56) 

harry

☆ROさん、お店の外に大量の薪ヶ積んであったので、そうなんでしょうね。
 我々が出掛けた日は空気も澄んでいて路面から舞いあがるようなことも無く
 噴煙の影響はほとんど感じませんでしたよ。

☆HIROさん、おはようございます。
 やっぱりオートバイで走るのには一番いい季節ですね、秋って。
 王滝村のスキー場は標高の高いエリアがまだ危険区域に掛って
 しまうので仕方がないみたいですが、開田高原は普段通りなんです
 よね。なんとなく危なさそうと思われてしまって、ちょっと残念です。

by harry (2014-11-08 07:59) 

harry

☆knackeさん、ここのパン屋さんは本当に自分達の焼きたいパンを
 丁寧に造っている感じで、とても雰囲気が素敵なのであります。
 パスタ屋さんは試してみたいメニューがいろいろあって、ピッツァも
 美味しそうでした♪
 秋の色、いいよね。

☆ナツパパさん、静かな秋晴れの一日で、心が休まりました。
 男二人というのもたまにはいいものだと思ったり(笑
 オートバイでの散歩だからいいんでしょうね。

 ここのナポリタン、少し前に見たメニューでは「(和)ポリタン」
 と駄洒落風の名前になっていて、そのせいかどこかで鰹出汁の
 香りもする不思議な美味しさでした。
 リングィーネと少し濃い味のトマトソースはよく合いますよね。

by harry (2014-11-08 08:05) 

harry

☆YASHさん、ここのところ晴天には恵まれてますね。
 この日は雲がほとんどなかったですよね。夕闇のグラデーションも
 なかなか素敵でした。

 NineTは軽くて小さい割に独特の重厚感があって、そこが気に入った所
 でもあるんです。エンジン自体に跨っているような感触とでもいうか。
 時間が経ったらどんな感じに馴染むんだろうと、今から楽しみです。
 国産車はやはりどこかしなやかさが勝っていて、そういう機械的な
 硬質さという点ではかなり雰囲気が違いますよね。
 でも、どちらも自分は好きなんですよ。

 で、ワタクシは3人の中では一番燃費がいいんです(笑

by harry (2014-11-08 08:12) 

FTドルフィン

都電の撮影でよく行く飛鳥山の近くに
BMWのディーラーがあって
ちょうど信号待ちでお店の前に止まり
新車や点検で入庫している車両を
ジーと見ていますw

FLAT-TWINの鼓動が
蘇ってくるんですよね〜・・・

開田高原、素敵ですね
GSで行こうと思っていたけど
行けずに今に
カミさんと行ってみようかな。。。

by FTドルフィン (2014-11-17 06:26) 

harry

☆あ、新しく出来たお店ですよね。
 来年はいよいよ300cc位の小排気量車も発表されそうですよ。
 でも、旧車のシンプルで軽いマシンも良いですしね...(誘惑

 開田高原は空の広さと、あまり観光地化していない素朴な雰囲気が
 好きなんです。クルマでも気持ちいので、是非!
by harry (2014-11-17 19:51) 

FTドルフィン

地震、大丈夫でしたか?
東京は、ゆーっくり大きくゆれて
これは、遠くで大きな地震だ!
って感じました。
by FTドルフィン (2014-11-23 08:35) 

harry

☆FTさん、どうもありがとうございます。
 おかげさまで我が家周辺は大丈夫でした。
 でも、かなり長く揺れたので結構怖かったですねぇ。
 炬燵でウトウトしていたらゆさゆさと揺れが始まって、
 そのままドカーンと大きな揺れが来そうな気がして緊張しました。

 しばらくは余震もありそうですので、気を付けますね。
by harry (2014-11-23 21:38) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。