今になってトヨタを応援したくなった、の巻。

火曜日。
東京行きの特急列車の出る駅まで行くつもりが
かなり早く着いてしまいそうなので、一山越えて諏訪湖畔まで向かってみることにする。
前日までの雪に覆われた山がぼんやりと朝の光に浮かび上がって、なかなかの眺めだ。

このクルマで二人でドライブっていうのも、これで最後かもしれない。
あんまり写真も撮っていなかったので少し記録に残しておこうかな。





炎天下よりも、こんな風景が似合うクルマだった。
足回りや駆動系のへたりがまだ気にならないレベルだったら、もう少し乗っていたかったけど。
最近は丁寧に運転したつもりでも10km/リットル以上はなかなか走ってくれなかった。



駅で降ろしてもらい、運転を代わった相棒はそのまま実家へ。
笹子峠を越えると、空の明るさは消えてホームには雪がうっすらと積もっていた。
どうも東へ行くほど天気が悪いみたい。
ローカル線に乗り換えると、窓の外には傘をさしたビジネスマンの姿も。
久しぶりにバスに乗って、自分の実家のすぐ近くまでのんびりと進む。
見覚えのないコンビニエンス･ストアが出来ている。



あ、あった。
「ご成約ありがとうございます　○○様」と
全く違う名前が書いてある。訳がわからない。

それはそれとして、見た目はかなり綺麗で、内装もまるで新車のよう。
ボンネットの縁の塗装が薄れているところを見ると
前の持ち主は乗らない割りに磨くのは好きな人だったのかもしれない。
先代3ドアのファン･カー的な印象が消え去って、思いっ切り実用車風なのがいい雰囲気。
今の自分の気分には合っている。

ほんの数分走って実家に顔を出す。
乗り心地の良さは我が家の先代とは別次元で、車体のきしむ音もなく
各部の操作にカチッとした節度があって、なんともいえない気持ちよさ。
こりゃほんとに新車みたいだな。

「えー、片付いてないの。やだわ...」
母は悠々自適をいいことに、ついさっきにんにく料理を作って食べたばかりなのだと言って
しきりに照れている。
大丈夫、気にしないから。
古雑誌を少し発掘して持ち帰ることにする。

シフトのショックも比べ物にならないくらいに小さく
高速道路での快適さは同じ車種とは思えないほど。
実家の本棚に眠っていた'80年代の高橋幸宏や松田聖子(笑)なんかを流しながら進んでいくうちに
談合坂辺りから小雪が舞い始めた。
室内が静かな分、音楽がよく聴こえる。

あれ、ヒーターが効いてないんじゃない？
ふと気がつくと、全く温まる気配がない。エアコンはちゃんと切ってある。
そのうちに走りながら下半身が勝手に貧乏ゆすり状態になってきたので
慌ててS.A.に駆け込んで、何でもいいから温まるものを...
で、カレーラーメン(笑。

食べた直後から狙い通りにぽかぽかと身体が温まってきて
額の汗をぬぐわなければならないくらいだったけれども
そんなカレー効果も双葉を過ぎて八ヶ岳の斜面を登り始めた頃には消えてしまって
寄り道もせず我が家の駐車場に滑り込む。歯が当たってかちかちと鳴る。
原村近くの最高地点ではマイナス3℃の表示。もっと寒かったんじゃないかと思うけど。




今度の2代目はデビューから3年経過した'97年式で
先代の初期型の'94年式と比べるとちょっと厚化粧気味。
でも、幅の狭いボディはしっかり5ナンバーのままだし
4ドアになって前後が短くなったドアは随分と使いやすい。
うん、気に入った。

翌朝、相棒と2台でタイア専門店に乗り付けて、ホイールごと総入替えをしてもらう。
ヒーターが効かなかったのは、温度調節レバーの内部の爪が欠けていたらしい。
保証ですぐに直してもらう予定なので、大した問題ではなさそう。
滑らかに感じたのは気分的なものだけではないらしく、
普段は200km程度で1/2くらいまで減ってしまう燃料系の針が
250kmを越えてからようやく同じような角度まで下がってきた。



地元ナンバーも付いて、ようやく自分のクルマだと思えてきた。
13年も経っている車とは思えない新車のような室内はとてもいい気分。

欧州車に乗っていた頃に感じた異文化に触れる非日常的な楽しさとは無縁だけれども
移動の道具として「気を使わないで済む」という安心感はかなりのもの。
トヨタ車を乗り継ぐ人の気持ちが少しわかるような気もした。

そんな漠然としたトヨタ製品の信頼感をありがたいと感じる人間になっていることに気づいて
ちょっと意外な気分になったのも確かなのだけれども。

タグ：RAV4 1997

コメント 12

良いお買い物しましたね＾＾）
やはり良い製品ですから、、良く売れるのですね、、
この時代のカローラを以前乗ってましたが、、
そりゃもう、、良くできた車でしたよ、＾＾）
乗り手を満足させる、ちょこっとしたしかも計算された
隠し味があるのですよ、、あ、ほめすぎかな・・・トヨタ派ですから（笑
by oya-ji (2010-02-20 00:11) 

真っ白だー！
真っ白な世界に車がピッタリですね。
なんだか嘘のようなマッシロ。
いいなー。（´。｀*）
by きむたこ (2010-02-20 03:36) 

こんにちは。
納車おめでとうございます。

厳しい気候や使用条件で、人気があるのも伺えますね。
by HIRO (2010-02-20 11:17) 

コメントを書こうとふとサイドバー（Blogpetの下）の大好きな桜餅が目にとまりました（笑）しかも実家のすぐそばの笹屋昌園さんの♪で、コメントに何書こうと思ってたのか忘れた〜
by barbie (2010-02-20 11:45) 

こちら北陸は雪はたくさん降りますが気温はそんな下がらないんです。
降っては消えまた積もるという感じなんでそれ程不自由しません。
でもそちらに冬にスキー行く様になって改めて実感しました、そちらの朝夕＆晩の気温は半端じゃないと、夕方５時頃から道がバリバリ凍結してる、ちょっとした上り坂ではスタットレス＆４駆でもスリップしてタイヤが空回りで車が動かずに、、、
スキーなんかせずバイクで走れる季節の信州しか知らないでおいた方が良かったな～と改めて感じてます。
by イナテツ (2010-02-20 20:04) 

昔、我が家も初代のエスクード・ノマドっていいね、なんて話してた頃が
あったんですが、ちょっと雰囲気が似てるかな。
道具然としたクルマって、古さを感じさせないのもいいですね。

なんだか大らかな空気を感じるような気がするのは、
今のトヨタ車にはない美点かも。
そちらの暮らしによく合いそうです。
by YASH (2010-02-20 22:20) 

納車おめでとうございます。
僕もホントにトヨタには頑張って欲しいと思っています。
我々が口で言うように簡単なものじゃないし、
厳しく険しい道で複雑な事情もありそうで色々考えさせられますが
この件が他の会社じゃなくトヨタで良かったとも思います。
トヨタならきっと乗り越えられる筈。
by ところで、 (2010-02-21 05:13) 

こんばんは。
本当に5ナンバーサイズで良いクルマが少なくなりましたね。モデルチェンジする度、無駄に大きくなって…
僕はやっぱり｢人も荷物も｣運べる道具としてのクルマが好きだなぁ。トライアルバイクが載れば何も言いません（笑
by mori (2010-02-21 21:59) 

遅れましたが、納車、おめでとうございます。
車に乗る、新しい車を買う…harryさんって、なんとなく、
ピンとこないですねー、未だに。確かに雪国暮らしでは
必需品なのですけれど。どんなに雪が舞っていても、
鼻水が出ようと、バイクに頑なに跨っている、ようで。

うちも昔は、5ナンバーのハイラックス･サーフに乗ってました。
だから、ちょっとフォルムが懐かしい感じ。ルーフにキャリアを
付けて、カヌーをくくりつけて、キャンプに行ったものです。
車中泊も、楽チンでした。せっかく買った車ですから、大いに
バイクではできない楽しみもたくさん見つけてくださいね。
by MORIHANA (2010-02-22 15:21) 

こんばんは。
NEW CAR、納車おめでとうございます！
車の写真て案外残ってないものなんですよね。
RAV4の写真、雪原にとても似合っていると思います。

ここ最近トヨタもついに揺らぐようなニュースが流れていますが、イメージをより悪くするような報道の仕方は、大げさな気がします。
車を造っている人たちは、安全を一番に考えて造っていますよ。
by POWERED (2010-02-24 04:02) 

☆oya-jiさん、こんばんは。
　実はずーっと長い間「トヨタなんてつまらない」と思ってたんです。
　正確には今でもつまらないかも、とは思うんですけど(失礼)、
　つまらなく感じるくらいによくできてるってことなのかも。
　道具として向かい合うと、違う姿が見えてきたような気がしてます。

☆きむたこさん、我が家では「どこでもドア」があったら
　モザンビークと行ったり来たりできて
　ちょうどいい気候になりそうなのにね...なんて言ってます。
　ほんとにね、ついこの間までは雪が多くて。
　今週は急に暖かくなっちゃって、気持ち悪いです(笑

☆HIROさん、ありがとうございます。
　ほんとにうちの近所では初代RAV4がやたらと多くて
　ジムニーも同じくらいよく見かけるので楽しいですよ。
　コンパクトな4駆っていうのは潔くていいですね。

☆barbieさん、僕もそれ見た(笑
　そういえば、東京で言う「道明寺」がそちらでは「桜餅｣？
　東京風の薄く焼いたパンケーキみたいな桜餅の皮、
　最近お目に掛かってないなぁ。。。

☆イナテツさん、そうなんです！
　こちらは昼間少し暖かくなっても、夕方から一気に冷え込んで
　朝は窓ガラスががちがちに凍ってることがよくあります。
　今年の冬はじょうろでお湯を掛けて窓の氷を溶かしたことも。
　でも、そのせいかくっきりとした朝の山の眺めは素晴らしいです。
by harry (2010-02-25 21:47) 

☆YASHさん、確かにこの大きさで4ドアっていうあたり、
　よく似た感じでしたね。
　松本周辺ではジムニーも根強い人気でよく見かけますけど
　生き残ってる数が多い車両は、やっぱりなかなか良くできてますね。
　
　妙にエッジを立てたりしてない分、間の抜けた感じもあって
　贔屓目には古いR100GSみたいな存在でもあるのかなぁ、なんて。
　本気のオフローダーには相手にされなさそうなところも
　なんだか似てる感じがしてるんです。

☆ところで、さん、トヨタを叩くメディアをみてると
　どうみても過去の成功に対するやっかみのようにも感じられて
　あまり気分がよくないですね。
　この間も床屋さんの主人が「ほらさ、ハイブリッドなんて
　まだ早かった、ってこった」と乱暴にまとめてました(苦笑
　こういう本筋でない問題をほじくることに夢中になってると
　クルマはもっとつまらなくなってしまいそうで、ちょっと心配。

☆moriさん、ほんとにデカくなり過ぎですよね。
　小型車なのに「全車３ナンバー」なんて偉そうに言ってるし。
　今日、店の前を走ってた古いMGミジェットなんか、
　乗ってる人の頭が幌を突き破りそうで、ゴーカートみたいでした。
　70年代前半のカローラなんて
　なかなか可愛くてエレガントでいいですけどね。。
　今回、予算がちゃんとあったらカングーも候補になってたかも。

☆MORIHANAさん、ありがとうございます♪
　そうそう、自分でもなんだか妙な気分です。
　えー、いまさらクルマ買うの？買えちゃうの？って感じで。
　でもね、さすがにこの地ではクルマがないと厳しいですね。
　まだ去年は雪も少なかったけど、この冬はバイクでは無理！(笑

　＞バイクではできない楽しみ
　5ドアにした理由はその辺りにもあって、これで田舎道を選んで
　どこか渓谷沿いの鄙びた温泉でも探しに出掛けて...なんて
　楽しそうだなと思ってます。キャンプもできそうだし、ね。

☆POWEREDさん、こんばんは。
　僕は写真を撮る習慣がつい最近までなかったせいか、
　昔持ってたクルマの写真がほとんどないんです。
　そのことに気づいて、かなり残念な気分になりましたけど。

　報道って身勝手だなって思いますね。非難するのは簡単だけど
　モノを造り上げて継続してきたことの偉さは
　同じくらいどこかで褒めてくれるのかな、って。
　F1撤退の報道も非難がましくて見ていて嫌な気分でした。
　そんなこともあって、あまり興味のなかったトヨタの製品を
　大事にしたい気持ちになってきたんです。なんかへんですけど。
by harry (2010-02-25 22:11)