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転職人生-その2。 [仕事と私]

私はひどく生意気で、国産大手のコンピュータ会社の中にいながら
当時まだ珍しかったマックのセミナーに通ったり、
コマーシャル・フォトの世界の有名な写真家に仕事をお願いしたり
バイク通勤を認めてもらったり、と好き放題にしていた。
コンピュータ会社の中での3年間はあっという間で、
後半は本来の業務とは随分離れた企画の話が増えたりして
楽しかったけれども、同時に会社の枠組みが息苦しくなってきた。
数年後の自分が想像できるような気がして、そのとたんに空気を変えたくなった。

3年目で勝手に一区切り、と思って最初の転職。26歳だった。

某アルコール飲料メーカーと、自称世界最大の広告代理店が合弁してつくったデザイン会社へ。
規模はごく小さく、外国人デザイナーと組んでグラフィックデザインや空間デザインを
"プロデュース"と称して売り込むのだ。
一人に一台、MacⅡcxかSE30。
バイクで出掛けて、会社でスーツに変身。
カリフォルニア・キュイジーヌの店を作るから、と言ってサンフランシスコとハワイに試食に行く。
オーセンティックなバーの企画中は週に何回か会社の経費で各所の名物バーをはしご。
「話題の店」にするために、評判になったCMプランナーにインテリアのテーマを考えてもらう。
どんどんとエスカレートしていく。

でもなんか、おかしくないか。
プランニング料1,000万円って、そのお金はどこから出るんだろう。
悔しいけれども1年半で消耗してしまった。
私の思い描いていた「想像のつかない世界」はどこにあるんだろう。

ふとしたことで耳にした「青年海外協力隊」という仕事。
あまりにもかけ離れていて、ひどく違和感があった。
私はボランティアなどというものについて、考えてみたこともないじゃないか。

でも、不思議なもので、その違和感にひきつけられたのだ。
想像がつかない、そのものじゃないか。

試験を受け(大学受験を極端に簡単にしたようなもの)何とか合格して、面接になると教官が言う。
「あなたのようにまさに現役の方が応募してくれるのが一番いいんですけどねえ」
「といいますと」
「いえね、ここだけの話、国際協力の意義に共鳴して、なんていう方に限って
あんまり続かないんですよねえ」
「そういうものですか」
「まずは自分のため、勉強したい、変わった経験がしたい、で十分なんですよ」
ふうむ。

そして同期生として約150人ほどの20歳~39歳までの男女が
訓練と称して長野の山中に押し込められたのだ。
そこからあとは、すべてが想像外のできごとで。


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コメント 2

barbie

出ました。なつかしのMacⅡcxかSE30。持ち運び楽だったもんねっ☆
by barbie (2005-02-27 13:37) 

harry

SE30、カッコ良かったですね☆

って、barbieさん、タイムマシンかなにか
もってるんですか。
by harry (2005-02-27 20:59) 

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