眠っていたクルマを我が家仕様に。 [クルマと私]
年末に手に入れた外装ペコペコのルノーの整備は少し時間が掛かり、
2月に入ってから我が家にやって来た。
初年度登録は2002年となっているけれども、おそらく車両自体は2001年型ではないかと思う。
車齢15年で実走4,000km未満ということは、走らずに放置されていた時間が長かったのかもしれない。
整備を依頼したフランス車専門店のご主人と事前に話をして、経年劣化で交換が必要な部品があるだろうし
整備費がそれなりに掛かる可能性があるということを覚悟しておいた。
実際に各部をチェックしてもらった結果は、想像していたよりも状態は良かったらしく、一安心。
鬼門の一つのタイミング・ベルトも比較的最近に交換された様子で
オイル類や冷却水を一通りすべて交換し、経年で傷みのみられたエンジン・マウントの一部や
サスペンションのブッシュ類を交換、バッテリーやワイパー・ブレードを新しいものに換えて
順調に車検を取得できた。
機能的には問題なさそうだった点火プラグとプラグコードも
良い機会なので定評のある永井電子製のものに換えておいた。
この車種用の設定があるのだけれども、普通に注文するとやる気満々な真っ赤なコードになってしまうので、
少し時間が掛かるのを承知で特注色のグレーを去年のうちに頼んでおいた。
こういう電装系の部品を新しいものにしておくと、気分的にはかなり安心。
受け取った日はまっすぐ自宅に乗って帰っただけで、翌日からは通勤に。
少し走っただけでも、これまでのラウム君とは基本的な考え方がかなり違う乗り物だということがよくわかった。
コンパクトな車体は、ほぼ長さ4mちょうどだったラウム君よりもさらに30cmほど短く
ホイールベースは5cm短いだけで、1.7mを切る幅と前後のトレッド幅はほぼ同寸。
車高は10cmほど低いけれども、空間的な狭さを感じるのは後部座席に座った時だけで
運転席は出来の良いシートのおかげもあって、より快適に感じられる。
ラウム君には無かったシート全体を上下させる機構が備わっていて、
一番高めに設定しても不思議と天井やフロント・ウィンドウからの圧迫感はない。
何より楽しいのは、タイアの接地感がしっかりと伝わってきて
微妙な舵角を与えた時のステアリングの反応が実に正確だということ。
ラウム君で時々感じた、各部のブッシュ類が勝手にたわんで細かな振動を吸収しているかのような
直進安定性のあいまいな感触は無く、サスペンションの剛性感は数段上。
受け取ってすぐに埼玉方面まで仕事の用事で出掛けてみることにして
出発直前に職場の工場でETC車載器を自分で取り付けてみた。
このクルマのダッシュボードは一体で外れるようになっていて、
少し手間ではあるけれども、外してしまえば配線を各部に隠して配置できる。
ラウム君から引き継いだ「旅ナビ」はダッシュボード上部の小物入れ風の空間を利用して取付け、
ETCのアンテナはフロントガラスの下端に。
本当はルノー純正のMDデッキ(Panasonic製)も交換してしまいたかったのだけれども、時間切れ。
高速道路にのってみると、ほぼ1トンの車体に実用域のトルク重視の1.6ℓのエンジンの組み合わせは
想像通りの快適さで、100km/h巡航時の回転数は2500rpm前後でラウム君よりも低め。
軽量な小型車に乗っていることを忘れそうになる重厚な乗り心地に加えて直進安定性が良いこともあり、
これまで高速道路を走った中ではもしかすると一番気持ちの良いクルマかもしれない。
高速道路主体での往復の燃費も16km/ℓ以上と、かなり良かった。
☆☆☆
とりあえず長距離の移動も問題なくこなせることを確認して、再び毎日の通勤の足に。
週に一度の休みを利用して、車内の電装品とその配線をやり直しておくことにした。
まずは、使うあての無い純正のMDデッキを取り外して、使い易いオーディオに。
欧州車の多くは、こんな風に専用の取り外し用工具を使うと、手前にするすると抜き出せるようになっている。
コネクタ類を慎重に外し、事前に手に入れておいた欧州車に日本製カー・オーディオを取付るためのキットを組合わせて
Pioneer製のDEH-P640(2008年発売)というユニットに交換。
ラウム君に取り付けたDEH-P730というPioneer製品の音質が良かったので
このシリーズの流れを汲んでUSBメモリに入れたMP3音楽データを直接再生できるものを探して
たどり着いたのがこの機種だった。
この製品以降はデザインがガチャガチャと子供っぽくなってしまって、最新の機種には食指が動かず。
運転席から見ると、ナビの右側奥に時計と外気温計。
ナビの取付ベースを固定した場所は、もともと洞穴のようなただの空洞だったので機能的にも問題なし。
こんな風に、大きめの金属製L型金物に黒いスチロールの塊から削りだしたものを組合わせて
その「洞穴」部分にぴったりと嵌め込んで強力両面テープで固定してあるだけ。
構想5分、製作約1時間。
ちょっとしたものを投げ込んでおくための小物入れのつもりだったのだろうけれども
ただ埃が溜まるだけの造りだったので、これで塞がってちょうどいいのだ。
助手席側グローブ・ボックスの奥に配線用の穴を開け、ETC車載器本体はグローブ・ボックス下部の棚へ。
フューズ・ボックスからも補助電源を取り、真面目な造りのAnker製の4連USB充電ソケットを繋いで
ベルクロ・テープを使ってETC車載器の脇に固定してみた。
ドライブ・レコーダーのとナビの電源はここから取っている。
赤い★印がオーディオ・ユニットに挿してあるUSBメモリ本体。
こんなに小さいのに容量は8GBもあるので、CD自体もほとんど使わないことになるかもしれない。
とうわけで、助手席下の床にどっかりと設置したままCDチェンジャーは、完全に無用の長物に。
この十数年間のオーディオ機器の変化はすごいなぁ。
少し草臥れた印象の外装は、とりあえずまだほとんど手つかず。
一か所だけクリア塗装のひび割れが始まっている場所には、絆創膏代わりにフランス国旗のステッカーを。
傷だの凹みだので気をもむことにエネルギーを使いたくないので、
適度にやつれた今の姿は本当に気が楽でいい。
この先は細かな部品の脱落している箇所を治したり、
劣化の進んでいるゴム類などの交換をDIYとして楽しんでいこうと思っている。
自分で手を掛けて弄れば現状よりも良くなる部分が多々ある、というのが
この世代のクルマの楽しいところなのです。
さて次回は、と。
古いけど新しい車のワクワク感が伝わってきました。
放置から外の世界に出て車も喜んでるみたいに見えました。
フランスの国旗も車体の色にマッチしてぴったりですね。
by barbie (2016-02-25 00:16)
☆barbieさん、ありがとうございます!
そう、ちょっとオンボロなんだけど、ときめいてしまいました(笑
欧州車は「運転させられている」のではなく「運転してる♪」という感覚があって
何ともいえず気持良いです。
フランス国旗、絆創膏としてはお洒落でしょ(笑
by harry (2016-02-25 00:32)
国旗絆創膏(笑)とってもいいアイデアですね!
これ、はやりそう〜。(≧∇≦)
開けないと見えないコードの色にもこだわって、
あちこち手を入れて、贅沢な車になりましたね。
harryさん家にくることができたこのぺこぺこルノーくん☆いいな。
来るまでもあちこちおでかけ、ますます楽しくなりそうです♪
by knacke (2016-02-25 09:26)
素敵な仕様になりましたね。
CDチェンジャー凄く懐かしいです。
by たくや (2016-02-25 13:16)
こんにちは。
ルーテ君の初期化?慣熟遠征 乙でした。
日本車と色々違う所が見えて面白いですよね…
12連CDチェンジャーは、前の車に積んでました>145ももう15歳(笑)
by HIRO (2016-02-25 21:10)
☆knäckeさん、絆創膏いいでしょ(笑
我ながらniceなアイデアだと思っております。
表面の塗装のひび割れのうちに貼っておけば、雪が降っても大丈夫かな、と。
そう言われてみれば、確かにエンジン・ルームの中なんて
自分しか見ないんだけどね...(汗)。確かにある意味贅沢であります。
ちょっと遠出してみたら、ずっと運転していても肩凝らないし、腰痛くならないし
かなり快適な良い子です♪
by harry (2016-02-25 23:54)
☆たくやさん、ありがとうございます。
CDチェンジャーって、この時代では便利だったんでしょうね。
指先位の大きさのUSBメモリにCD数十枚分収録出来ちゃうなんて
あの頃には想像してませんでしたよね。こういう進化はありがたいです。
by harry (2016-02-25 23:57)
☆HIROさん、こんばんは。
おかげさまでようやく自分のクルマになってきた、という感じです。
我が家のクルマは何かあった時に一応二人とも運転できるというのも条件なので
自然と選択肢がATに限られるんですけど、良い個体があったら
いつかこのクラスのMTももう一度乗ってみたいと思ってます。
この世代のATはいずれ不具合が出るという嬉しくない定評もあるので...
145ももう15歳なんですね。最近の欧州車はエクステリア・デザインの
傾向がどのメーカーも似てきたような気がするんですけど、
'90年代~2000年初頭くらいまでは各国の特徴が
今よりもはっきりとしていたような気がします。
145、可愛がってあげてくださいね。
by harry (2016-02-26 00:06)
プラグコード、赤くても良かったのに!www
いやぁ〜、なんか、なんとなくですけど・・・
こういう車、harryさんらしくて、良いです!
拘りの道具から車を除外して随分経ちますがw
また、拘るならフランス車に乗りたいです
イギリス、ドイツ、アメリカ、ジャパンと来てますので
次は、イタリアかフランスか!
車の味って各国お国柄でてて面白いですよね〜
できることなら、日々乗り分けたいくらい(絶対無理だけど)
次乗るなら・・・
ん〜・・・やっぱりフランス車かなぁ〜
へんな、シトロエンとかwww
by FTドルフィン (2016-02-28 07:10)
☆FTドルフィンさん、やっぱり赤くても良かった??(笑
毎日乗ってるんですけど、何とも言えない楽しさがあって
久々に意味無く遠回りして帰りたくなったりして。いいんです、これ。
クルマって国ごとに何を大事にするかの優先順位が違ってたりして
本当に面白いですよね。うん、ワタクシも日々乗り分けたい!(笑
ちなみにイギリス車は何だったんでしょう?ちょっと興味津々。
シトロエンのヘンなの、いいですねー。
なにもついてないAXの5ドアとか、GSAとか、BXのブレークとか...
考えるとまた別の泥沼にはまっちゃいそうでコワイです。
というわけで、FTさんの次に期待してます♪
by harry (2016-02-28 09:00)
クルマと向きあっていくって愉しいものなんですね。
わが家は今回車を替えたのですが、ディーラー任せで、
どうも忸怩たるところがあります。
この時代の車はホント魅力的で、あと少し古いと今度は
日常的な使用には??ですものね。
これからが楽しみですね。
by ナツパパ (2016-02-28 15:19)
☆ナツパパさん、こんばんは。
クルマも考え方によっては中古カメラ等とも一緒で
好きな機種を探して、コンディションを吟味して、
納得いかない個所があれば修理して使い込んでいく、
なんていう愉しみ方もできるんじゃないかと思っています。
仰る通り、日常的に使うのにも支障なく、
全てが電子制御でブラックボックスになりきってしまうほどではなく
程々で、どこかのんびりした感じがあったのはこの世代の特徴で
あからさまなコストダウンもこの後の世代から、かもしれないですね。
とはいうものの、実際に日々使ってみてどうなる事やら...
故障も含めて、ちょっと楽しみな気分なのです。今のところは(笑
by harry (2016-02-29 00:03)
自分好みに出来上がって来ましたね、しかし走行も少なく
程度も良好で、こりゃまた良いお買い物をなされましたものです。
日本車の中ではラウムくんもなかなかの個性派でしたが、
やはりヨーロッパの車はそれ以上に存在感があり、上品な感じが
ありますね^~^
by 辰 (2016-03-05 20:09)
☆辰さん、おはようございます。
走り出す前に整備もできたおかげで、
運転している分には新車を手に入れたような新鮮な気分です。
ラウム君は今でもいいクルマだったなぁと思ってますけれども
フランス車って、座って移動するということについて、
とても真剣に考えてある乗り物だなあと改めて思いました。
おかげさまで楽しい買い物でした♪
by harry (2016-03-06 08:41)