仔犬号通信vol.2＆タンデム日和。

金曜日。
少し前まで黄金色に輝いていた東京都図書館の銀杏もほとんど葉を落とした。
でも、去年より少し遅いんじゃないかな？
仕事のピークもやっと越えて、一段落。

「会社に戻ろう」と都心から西へ向かうのはいまだに新鮮。
逆よりは楽しいな。
雲が一気に流れて、いい天気の予感。
職場に戻って、夜露でびっしょりになっている仔犬号に一週間ぶりに跨って、帰宅。
明日も明後日も休みだ、と思った途端に、普段よりも深い眠りに転がり落ちた。

土曜日。
ぽかぽかといい天気だ。
でも、何とも体が重くて、どうにもならない。
疲れているのだ。悔しいけど。

せめて明るいうちに、と、仔犬号の掃除をすることにする。
一週間、職場の駐車場に放置してしまったので、埃にまみれていたし....
と思ったら、この足跡は。

掃除をしながら各部を眺めてみると
なかなかよく考えてあるものだなと、毎回ちょっとした部分に見とれてしまう。
スクーターではこの位置にエアクリーナー・ケースが付いているものが多いけれども
車体のデザインの一部であるわりには、あんまり気にされない部品の一つだ。
ピアジオ製エンジン＆駆動系を流用しているスクーターの多くは
OEM供給のケースを付けっ放しのものが殆ど。
でも、この子はちゃんと自社製の物を付けている。
ケース外側の部品を後ろまで伸ばしてサスペンションの取り付け部までカバーしているところなんか
なかなか気が利いている、と思う。

タンデム・ステップ周辺のボディがスリムなのも美点の一つ。
ほら、幅が広いとどうしても後ろの人は蟹股っぽくなっちゃうでしょう？
この子は、ごく自然に跨ることができて、足も載せやすいみたいだ。
ステップ位置も、そこまでの高さも適度。

シートの表皮はこんな微妙な２トーン。
最近のVespaのようなクールな感じは無いけれども、
これはこれで、なかなかシックです。

ちょっとパターンが実用車っぽいピレリMT15に履き替えて、ますますカブ化が進む仔犬号。
通勤に西に向かうようになって、距離が伸びると同時に信号が少なくなったおかげか、
コンスタントに30km/ℓを越えるようになった。廃屋、じゃなかったハイオク指定だけど。
真っ平らなステップフロアというのは結構便利なもので、
最近イタリアでも再び再流行の兆候がある理由もうなずけます。

というわけで、この日は掃除だけでおとなしく部屋に戻り
懸案だった部屋の片付けに専念することにしたのだった（涙
明日はオリバーくんで出掛けるぞ！と誓いつつ。

で、日曜日。
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少し風が冷たいかな、とも思ったけれども
絶好のタンデム日和。
二人揃って、寒いのは嫌いではないのだ。

スターター・レバーを引くとエンジンがすぐに掛かったことに少し安心して、
暖気は殆どせずにゆっくりと走り出す。走りながら各部を暖めるつもりで、丁寧に操作する。
最初の数百メートルこそシフトも硬い感じがするけれども、
少し幅の広い道路に出る頃には滑らかに。
様子を見ながら、少しずつ送り込むガスの量を増やしていく。
右手の動きにほんの少し遅れてついてくる、後ろから押し出される力強さ。
うーん、気持ちがいい。たとえゆっくりでも。

お昼は、蕎麦。
季節の変わり蕎麦は、黒胡麻だった。いい香り。
少し街を眺めて歩きたいという相棒を降ろして、さらに西へ。ほんの3時間ほどのドライブ。

丹沢の入口をかすめて、宮が瀬へ。クルマが多いなあ。
土産物屋の集まる場所を避けて、人気の無いダムの真上で、一休み。
昔は訳のわからない獣道だったようなところがすっかり整備されつくして、こんな風景に。
対岸から、オートバイのしゃかりきな音が響いてくる。

再び、ゆっくりと街へ戻る。
お互いに「何が欲しい？」と訊くのだけれども、なんだか何も思い浮かばない。
満ち足りているっていう事なのかな？ほんとに？
きっと、欲しいと思う前に「こういう物がある」という情報が必要なんだろう。
でも、知らなくて済むのなら、知らないままでもいいか。

何処かで食事をして帰ろうかとも思ったのだけれども、
家でのんびり鍋をつつこうということになった。
巨大なスーパーマーケットに寄って、野菜やら肉やら、泡の出る飲み物やら...

アフアフ言いながら、キムチ鍋。
「う、旨い！」
「あふ」
「暖房不要」
「あふあふ」
「はふはふ」
「ラーメン投入！」
「あふっ！」

最後に炊きたてのご飯を一口沈めて。あー旨かった。

で、ホットカーペットの上に横になる。動けなくなる。
「ねえ、ケーキ食べなくていいの？」
いえ、食べます。

ミルフィーユやクッキー・シュークリームの美味しい店で買ってきた、ごく素朴な苺のショート。
たまにはこういうのもいいね。綺麗な苺だ。
ナイフを入れると、中にも新鮮な重量感のある苺がたっぷり。
うーん、とろけそう。

☆☆☆

あと数日で仕事納め。頑張ります。
すっかり更新もできなくなっちゃいましたけど、いつも見に来てくださる皆さん、ありがとう。
コメントのお返事も書かないままで、ごめんなさい。寝なきゃ。。

コメント 10

最近はケーキが食べたいという欲求が無い・・・
特にクリスマスケーキは・・・
明日はタルトでも買いましょうかねぇ・・・
by pon (2006-12-25 03:38) 

おいしい3段重ね、
重ね重ね、御礼もーしあげます。（号泣）
ケーキでとろけてホットカーペットの上でとろけて、
なんて、ええなぁ〜。
お正月もとけてください。
欲しいものだらけなきむたこより。
めりくりめりくり。
by knacke (2006-12-25 05:24) 

動画、見るべきはVista Jacketかしらんと思いきや、
しっかり「影の主役」がいたりして。ステキだなぁ。
夜更かし厳禁。ゆっくり休んでくださいね。
by SCARABEO (2006-12-25 09:10) 

すみません、旧Macのため、動画が再生できないのでまだ見てません（泣）後日、パートナーのWindowsで確認しておきます。(^^ゞ
クールなバイクの写真のあと、美味しそうなお鍋と、ケーキ・・・
ほっこりしました。(^^)
Merry Christmas☆
by tanuki (2006-12-25 17:11) 

オリバー君もすっかり馴染んだみたいですね。少し前のBMWって旅の香りがします、個人的な意見ですが。
蕎麦、旨そうですね。こっちではうどんがメインなので、旨い蕎麦ってなかなかないんですよね。関東で学生生活を送るまで、蕎麦があんなに旨いなんて知りませんでした。
by mori (2006-12-26 21:02) 

満ちても溢れても、まだ足りないって思ってる人たちが多い世の中、
大切な人とオートバイとおいしい物で満ち足りるって素晴らしい事です。
私もさっき、おいしい唐揚げとギョーザで妻と満ち足りてきました。
明日は仕事グルマとＴＤＭの洗車で満ち足りる予定です。
by YASH (2006-12-27 21:53) 

125CCのCagiva Cuccioloは、
便利そうですよねー。
沖縄でスペーシー100をレンタルで
借りて走ったのですが、非常に便利な
ものだな、と思いました。
小さなオートバイには小さなオートバイの
よさがありますよね。
by kokudoh (2006-12-29 21:01) 

あっ仔犬号通信。
使い勝手を大切にしたスタイリング。
いいですよね。

そんな大層なことじゃなくって、
使う人のことを考えて工夫することがモノづくりには大切なんだと、
当たり前のことを僕ももう一度よく考えないと。
by ところで、 (2006-12-30 02:09) 

毎度おおきにm(__)m
ご無沙汰をお詫び致しますとともに、今年一年拙ブログをご愛顧戴きまして誠に有難うございましたm(__)m
来年も皆様にとって良いお年でありますように祈念致しております。
by へー八郎 (2006-12-31 02:20) 

☆ラスさん、ケーキは少し控えた方が...（ぼそ
　美味しいもの食べた？
　7日は暖かいものだったら何でもOKです！

☆きむたこさん、ええでしょー。
　お正月はコタツでとろーん、っていうのが夢です。
　で、ほっぺたに冷たい蜜柑を押し当てられて目が覚めて。
　お正月開けは、少し走って美味しいもの探してくるからね。

☆SCARABEOくん、あ、気付いてくれましたね（嬉
　陽射しと、走る方角を考えてカメラをセットしちゃったりして。ぐふ。
　今日から数日、久々に何も考えずに過ごせそうです。
　よいお年を！

☆tanukiさん、8.6ではだめでしたかー。
　なかなかいい音してるんですよ。
　クリスマスは楽しかったですか？ってもうお正月ですね（汗
　年明けが静かに幸せにやってきますように。

☆moriさん、今年一年お付き合いいただいてありがとうございました。
　なんとかオリバーくんも余計な気負い無しに跨がれるようになってきたかもしれません。とても気に入ってます。確かに旅の道具的な感じが私もするので、近くの用事に乗って行こうとは思わないんですけど。
　うどんって、関東の人間には「旨いうどん」っていうのがどういうものなのか、今ひとつ判りづらい感じがします。私も岡山で腰の強いうどんを食べて仰天しちゃいましたから。

☆YASHさん、自分が幸せになれるものがある程度わかってくるのって
　歳をとる楽しみの一番のことかも知れないですね。
　ブログを通じてそういう楽しみが増えたことが、今年の大きな幸せの一つです。ありがとうございました。

☆takさん、原付2種って街の移動手段としては最適な乗り物の一つですね、ほんとに。50ccで幹線道路を含んだ一般道を走るのは、かなり勇気が要るし...ってことは、危ないってことですよね。
　地味な乗り物ですけど、手放せそうにありません。

☆ところで、さん、ジムショのお掃除、できました？（笑
　このスクーターを見ていると、イタリア人が頭をひねってる様子が思い浮かんで、何だか楽しくなってきます。GTは「ひらめきが形になっている」とでも言うような、シャープな才能から生まれたものって感じがして憧れるんですけど、これは「イタリア人も地道に考え事が出来るんだなあ...」という感じで（笑
　一時期は浮気しそうでしたけど、当分この子と付き合ってみますね。

☆あ、へーさま、お元気でしたか？
　来年も電柱の陰からぼそっと...
　スコアの向上もふくめて、一層よい年になりますように。
　ワタクシも頑張ります。
　
by harry (2006-12-31 14:04)